2010年も残りあと数日となりました。
サッカーワールドカップが南アで行われたことが、今年の南アのトップニュースですが、
年末になって、南ア中が大注目する殺人事件が起こりました。

11月13日午後11時過ぎに、ケープタウンのGuguletuというタウンシップ（黒人居住区）でハネムーン旅行中だった新婚夫婦（イギリス人）の乗ったタクシーが、２人の拳銃を持った男にジャックされ、新婦のみが連れ去られた後、首を撃たれ、翌日死体で発見されるという悲惨な事件が発生しました。
この夫婦は殺害の約2週間前にインドで結婚式を挙げたばかりで、当初は新婚早々に寡夫となってしまった新郎に、同情の声が寄せられていました。

しかし、事件は謎が多く、たとえばジャックされた際、なぜ犯人はドライバーと新郎を無傷で置き去りにし、新婦を殺害した後、なぜタクシーも新婦の持ち物も盗らなかったのか（普通、ジャックは強盗目的であるため）ということや、なぜこんな夜中にGuguletuを訪れたのかという理由（Guguletuはケープタウンの中でも特に荒れたタウンシップで有名）など、理解しがたいことが多く、捜査は難局を迎えつつありましたが、なんと、事件に関与した疑いで逮捕されたタクシードライバーの「新郎が犯人である」という証言により、南ア中が驚きに包まれました。そしてこの事件の行方を見守っています。

司法取引による、このドライバーの証言によると、事件前日にケープタウンに到着した新郎から直接ドライバーへ新婦殺害の依頼があり（報酬はR1500＝約18万円であった）、新郎による殺害計画によって、事件は引き起こされたとのことです。
新婦の遺体とともに、すでにイギリスへ戻った新郎は、この証言に対し、事実関係を全否定しておりますが、ついにイギリスで逮捕されました。（その後すぐに、R2.7millo=約3千2百万円の保釈金にて保釈されています）。

この殺人容疑のかかっている新郎は、一族でイギリスで老人ホームを運営している富裕層ですが、実は会社が資金繰りに行き詰まっていることが判明しており、事件は新婦の保険金のためだったのではという見方が強まっています。
また、事件前に数回に渡りドライバーと密談をする様子が防犯カメラに映し出されていることが判明するなど、新郎が事件に関与しているのではという証拠が次々と出てきています。

すでに南ア警察は、イギリスに対して逃亡犯人の身柄引き渡しの依頼手続きを終えており、来年1月に新郎が容疑者として南アに引き渡される可能性が高くあります。

年が明けても、このニュースから目が離せません。どういう結末を迎えるのでしょうか。

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