スペイン

スペイン:バレンシア

大田 朋子(おおたともこ)

職業…ライター、エッセイスト、講演家

居住都市…ブエノスアイレス(アルゼンチン)
→ケント(イギリス)
→バレンシア(スペイン)

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東日本大震災が起きた3月11日から2カ月が経ちました。
大地震が起きてすぐは、チャリティー公演やチャリティーイベントなど、ヘルプジャパンを掲げた取り組みが、こちらブエノスアイレスでもたくさん行われました。

大地震発生から2カ月経った今、地震発生当初に比べると、自分にできることは何か、という見えやすい問いをする動きは落ち着いてきているかのように見えます。
でも本当の「闘い」はこれから。

そんな思いで気を引き締め直していた時に、小さい取り組みながらも心を動かす出来事が2つありました。

一つは、ブエノスアイレスに在住していた日本人女性が開いたデスペディーダ(お別れ会)。2年近く住んだブエノスアイレスを後にする彼女のために開かれたフェアウェルでは、彼女のたっての希望から、折り鶴を貼った「募金箱」が置かれました。

去りゆく彼女を惜しむ友達が集まったそのフェアウェルパーティーで、募金箱に集まったお金は、380アルゼンチンペソ。日本円にしておよそ7,640円。

これは小さい額でしょうか?
いいえ、このお金でいくつのおにぎりが買えるか、何本分のミネラルウォーターを買うことができるか、そんな風に考えていけば、小さな額ではありません。

何より、一人ひとりができることをし、その積み重ねで国は再建される、一人ひとりができることをできる場面でするという一番大切なことを教えられたようで、私はとても感動しました。

フェアウェルパーティーに置かれた、平和な世界を祈って折られた折鶴つきの募金箱を見てハポン(日本)のことを考えてくれた人がたくさんいました。

また、日本に約3年在住していたアルゼンチン人のCesar Zanardi(セーサル・サナルディ)さんは、今回起こった大地震に対して自分にできることは何かと自問し、下の画像のようなイメージを作りました。



Cesar Zanardi(セーサル・サナルディ)さんによる作品

Cesar Zanardi(セーサル・サナルディ)さんによる作品

Cesar Zanardi(セーサル・サナルディ)さんは、 “aprovechar una reunión para hacer una colecta”( 人が集まる機会を利用して、日本のことを考えてもらえて、募金につながれば)…そんな思いでこのイメージを作ったといいます。

上記に紹介した二人とも、けっして無理しないで、自分のできる範囲で大好きな国日本のためにできることをしている。
二人のようなスタンスだと、肩肘はらず、でも力強く長期的に実になることができる。

この二人のスタンスに、ボランティアとかチャリティーの基本姿勢の一つを見たような気がしました。







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