ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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 3月10日、十勝の農家や関係者ら約4千人が音更町に集まりTPP参加交渉に前向きな政府を批判する集会を開いた、というニュースが入った。農業が盛んな地域だけにTPPに対する住民の関心は高いようだ。


一面緑のじゅうたん

一面緑のじゅうたん

 地球の反対側ブラジルは農業生産大国である。総人口2億人の20%近くが農業従事者だ。ブラジルの耕地面積は国土の66%を占め約6,700万ヘクタール(日本は460万ヘクタール)もあり世界5位。サトウキビの生産7億1千万トン(10年)とコーヒー280万トン、オレンジ1800万トン(以上、11年)はダントツ世界一。
 大豆6、640万トンと牛肉940万トンは2位(11年)。トウモロコシ7,278万トン(11/12年)、日本へも輸出されている鶏肉は1,300万トン(11年)で3位。特に、大豆は近年中に一位の米国を抜きそうな勢いを示す。
 農産物生産増大に伴って輸出も急増しサントス、パラナグァ、サルバドールなどの主要港周辺は産地から穀物を運搬する大型トラックの列が続く。鉄道より道路のほうが発達しているためだ。サントス港の整備が輸出拡大に追い付けず、港湾施設の近代化が緊急の課題になっている。


大豆の実

大豆の実

 農産物輸出総量は世界5位と考えていい。穀物の行先は中国が主で全体の半分近くにも及ぶ。大量買い付けが年ごとに急増し、人口13億の中国は食糧確保のためブラジルに急接近。ブラジルは大西洋に面する国でTPPには参加できず中国もメンバーではない。中国は農業部門への資本投下をさらに推し進めるようだ。


サトウキビ畑も

サトウキビ畑も

 ブラジルでは農業が一産業として確立し播種、収穫、搬送などが企業区分され成り立っている。生育過程監視や収穫時の判断にはGPS衛星を使う。機械化による穀物生産の大規模農法が進む。当国を基点に眺めれば、日本の農業は政府の関税や補助金による価格保証の中で発展して来ており、従事者も高齢で兼業農家も多い。従来の農政が変革期を迎えているのは確かだろう。


 TPPに参加すれば打撃を受けるおそれがある日本の農業。政府が生産農家の意見をどこまで組み入れてどのような交渉をするか、また、農家がどのような姿勢で立ち向かうのか注目したい。


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