近頃、周りで話題になっている映画、ヤダブクマール・バッタライ(Yadavkumar Bhattarai)監督による「ジョラ（jhola)」。娯楽的な映画が多い中、この映画はシリアスもシリアスな内容。１００年近く前までは普通にあったヒンドゥの風習で、夫をなくした女性（未亡人）が、その葬儀（火葬）のときに自らも後を追って火の中に身を投じる行為・・を描いた映画です。

　「サティ」と呼ばれるこの行為は、私たち日本人にはかなり理解しづらく重いものですが、古い文献にこのことが書かれているのだそうで、女性の貞節や献身を表すとか、現世の罪が清められ、死後もまた夫と一緒に過ごせるようにとか・・・。女性は１０歳にもならないうちに、他家に嫁ぐのが当たり前だった時代。女性の地位が低く、そうせざるを得なかった背景もあったのかもしれません。逆に妻が先に逝った場合には、夫は次の妻を迎えることが常識でした。これは現在でも多く見られる風習です。

　法律的には、サティの風習は1898年に廃止されたそうですが、その後も根強く残り、また現在でも考えさせられるテーマであることは間違いありません。関連して、女性の人身売買やセクシャルハラスメント、家庭内における暴力なども大きな社会問題となっています。

　
　

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