ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ市で小川夫妻が製造しているラーメンの生麺

サンパウロ市で小川夫妻が製造しているラーメンの生麺

 「ここ2年で急に注文が増えたんですよ。仕事を始めた時は、生活できるかできないかやっとの状況だったんですけどね」
と言う小川サムエルさん(53歳)、直美さん(54歳)ご夫妻。8年前からサンパウロ市内でラーメンの製麺を行っています。


出来立てのラーメンの生麺を持つ小川直美さん

出来立てのラーメンの生麺を持つ小川直美さん

 小川さんご夫妻の製麺所がラーメンを定期的に卸すのは、サンパウロ市内や近郊の町の日本食レストラン他、遠くはアマゾナス州のマナウスや世界三大瀑布で知られるイグアスの滝に近い町のレストランです。
 「イグアスのレストランには、隣接するパラグアイで暮らす中国人のお客様もいつもラーメンを食べに来てくれると聞いていますよ」とのこと。
 
 「配達する時、ラーメンがお客さんに運ばれる様子を見て「美味しいね」と言う声が聞こえてくる時が嬉しいですね」
と笑う直美さんは、日本食になじみのなかったブラジル人が家族で来店するような風景を最近はサンパウロでよく見かけます。

 近年、サンパウロでラーメンの需要が高まったのは、リーマンショック後に、在日ブラジル人労働者がブラジルに帰国したことと関連があるのではないかとの見方もあります。日本でラーメン好きになった人々が、ブラジルでも懐かしい味を求めて、友達のブラジル人と連れ立ってレストランを訪れる様になった事も考えられます。東洋人街のラーメン専門店や日本食レストランでも日本のラーメンは存在感を高めてきました。


ここ半年以内にオープンした東洋人街のラーメン店の店先

ここ半年以内にオープンした東洋人街のラーメン店の店先

 小川さんご夫妻は、友人のご夫妻が2000年ごろに始めていた製麺所を引き継ぎました。友人のご夫妻の時代は、まだ生麺を使用したラーメンがブラジルで珍しく、販売状況も厳しいものでした。

 小川さんご夫妻が製麺を始めてからも、夏には売り上げがさっぱりなど、厳しい時代が続きました。それがここ2年の間に確実にラーメンの需要が伸び始めました。

 得意先からのアドバイスを受けながら、「コシ」を追究したおいしい麺作りに研究を重ねてきた小川さんご夫妻。好評を得て、生麺の製造は、アルバイトが必要なほどになっています。

 今は、細麺と太麺を8対2の割合で製造しています。太麺はちゃんぽんや日系人のお客さんが多いレストランでニーズがあるという事です。

 スシ、刺身、ヤキソバに続くブラジル語として、ラーメンも殿堂入りするか、今後の期待感が高まります。




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