ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ市近郊の農園で摘んだヨモギ

サンパウロ市近郊の農園で摘んだヨモギ

 日本から海外に出て、生活すればするほど恋しくなる日本の味。

 いろいろな和食の中で、日本ではそれほど感動もなかったはずなのに、ブラジルで暮らし続けるとぜいたく品、高級品、ごちそうになるものの一つが大福もちです。 
 
 大福もちの皮にヨモギを練りこんだ草もちは言わずもがな...。


摘んだヨモギで大福を作るブラジルの大浦千代子さん

摘んだヨモギで大福を作るブラジルの大浦千代子さん

 ヨモギは雑草の一つとされています。ブラジルにもヨモギを意味するポルトガル語がありますが、日本と同じ種類のヨモギは原生していなかったという話も聞きます。

 1908年から1970年代にかけてブラジルに渡った約25万人の日本移民の中に、郷里からヨモギの種を持ってきてブラジルでも播いた人がいたそうです。それで、今も田舎の日本人、日系人の農園には、ヨモギが繁茂している家庭が珍しくありません。

 ヨモギは一年中生えているイメージがありますが、やはり寒い時期は繁殖力が衰えます。ブラジルの春から夏(日本の秋から冬)が、青々としたヨモギが繁殖する時期です。


サンパウロ近郊の農園でヨモギをつむ

サンパウロ近郊の農園でヨモギをつむ

 10月の今、ヨモギは食べごろです。サンパウロではもち米も小豆も砂糖も簡単に手に入ります。あとは田舎の農園でヨモギを入手できれば、懐かしの草もちが手作りできます。

 日本で生活している時は自分で大福を作るなんて考えたことはありませんでした。しかし、ブラジルで生活すると、もはや草もちは自分で作るしかありません。

 あっという間に30個、60個くらいの草もちを作ってしまう日系二世の大浦千代子さん(84歳)に熟練の技を教わりました。千代子さんは小豆から裏庭で栽培して自家製のあんこを作ります。こだわっているのではなく、それが普通でこれまで生活されてきました。もちろん、草もちにはいつも採れたてのヨモギを使用します。

 ヨモギ摘みから始まって、自家製草もちをブラジルでも作るという、10月中頃のとある休日の一日でした。


ブラジルの家庭で作った草もち

ブラジルの家庭で作った草もち


サンパウロの日本人の農園に繁茂するヨモギ

サンパウロの日本人の農園に繁茂するヨモギ


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