フランス

フランス:パリ

別紙 敦子(べっし あつこ)

氏名=別紙敦子
職業=観光業
居住都市=パリ(フランス)とバルセロナ(スペイン)年間1:2の割合で、行き来しています。

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テロ現場から遠くない9区のレストラン内での様子。閉ざされたシャッター。

テロ現場から遠くない9区のレストラン内での様子。閉ざされたシャッター。

11月13日の金曜日、楽しい週末の夜が始まった矢先の20時半頃、携帯が鳴り始めました。
それまで、レストランでフランス対ドイツのサッカーの試合を観戦しつつ、友人と談笑していた客は、近くで起きた銃撃や爆発の知らせに、ざわめき始めたのです。
店内では 車で逃走したと報じられた銃撃犯たちが 襲ってくるのではないかと、店主がシャッターを閉め照明を暗くし、息をひそめ、夜明けの3時頃までこもっていました。

パリ市内と郊外を区切る環状線道路Peripheriqueが封鎖されていたため、郊外に住む友人は帰宅が朝方になりました。


地下鉄駅出入り口。事件翌日、全線ではないが運行。

地下鉄駅出入り口。事件翌日、全線ではないが運行。

翌日の14日は、エッフェル塔などの観光地・ディズニーランド、映画館などの施設は閉館していました。
それは とても異例なことです。
当然、ほとんどの店舗やデパート、会社なども営業していません。
市民は外出をしたがらず、通りは警察官の姿ばかりが目立ち閑散とし、少し気味が悪いくらい静寂であり 緊張感のある空気を感じます。

事件当日の夜は、友人や家族らが互いに、安否を気遣う通信が絶え間なく続きました。
友人に様子を尋ねてみましたが、翌日は、朝からネットやTVで事件の情報に耳を傾ける人が殆どだったと思われます。

また一般の人々が、事件の様子の写真やビデオをネット上に載せ始めました。
その中には、攻撃を受けた11区の劇場バタクランの裏口から逃げている様子を とてもリアルに捉えている映像がありました。(たぶん、その劇場に隣接する建物の住人が、窓から映したもの)
知人を引きずり逃げている人や、力尽きて地面に動かなくなった人、壁をよじ登って上階に上がろうとしている人などの映像です。
「何があったのだ?」「うるさいぞー」などと、近所の住人の叫び声も聞こえてきました。

テレビのニュースでは、絶対に映さないであろう映像が多くあり大変興味深いものです。


今回の事件について、パリ市民から話をききました。
何故 一般市民を狙うのか疑問に思い、納得いかず、恐怖を隠せない様子です。
言葉にできないくらい憤慨し、続く宗教戦争に疲れるとの意見も有りました。
また政治に詳しい人の意見では、フランスでテロが起こる理由を、フランス政府(オランド仏大統領とファビウス外務大臣ら)が、2012年より、アルカイダ組織の分枝アル-ノストラに、過激派組織イスラム国と戦うために武器を提供したからで、このような事件が起きたことに、全く驚かないと言う意見です。

互いに影響し合う原因と結果の理由を指摘するのは、たいへん難しいが、それについて論じ合う市民が実に多かった1日です。
「鶏が先か、卵が先か」のジレンマのようで、深い所に潜んでいる何かを取り出すことが可能なのだろうか。




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