ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ州立学校の教員のストについての説明が開催された日の校門前

サンパウロ州立学校の教員のストについての説明が開催された日の校門前

 ブラジルの長期休暇と言えば「遠出の旅行」が真っ先に思いつく中、近年、初等教育から高等教育機関まで、公立学校に通う学生たちには、「教員のストに由来する長期休暇中の補欠授業の実施」が話題に上っています。


今年のサンパウロ州立学校の教員のストに関する説明書

今年のサンパウロ州立学校の教員のストに関する説明書

 特にサンパウロ州立学校のストは何年も前からよく知られてきました。

 近年のストは、ここ数年のインフレにも関わらず、サンパウロ州立学校の教員の給与が、インフレ率に見合っていない報酬しか受け取れない事や、高等教育機関を卒業している他の職業に比べても給料が低い事、他にも教員の辞任や教室の生徒の人数超過、教材の不足や施設の整備不足などの大変さが理解されていないことなどを訴え、学校ごとに数日から1ヵ月単位でストが実施されてきました。


サンパウロ州立学校の教員のストと長期休暇中の授業について説明するサンパウロ州立学校の一つ

サンパウロ州立学校の教員のストと長期休暇中の授業について説明するサンパウロ州立学校の一つ

 今年、サンパウロ州立学校では3月15日から約3カ月間ストが続いていました。その間、各学校の判断で授業が実施されたり、教員ごとに授業を実施したりする人がいなかったりで、3390ほどの授業が実施されませんでした。

 ブラジルでは冬休みとなる7月に入る前、ようやく平常通りに授業が始まったかと思うと、6月下旬に保護者会が開かれ、公立学校の一つでは、ストにより欠けた授業の補欠授業を本来の長期中に実施するという説明がありました。

 集まった保護者からは「学校が勝手にストをした」などと反対の声が大きく上がり、その学校では長期休暇中の後半に集中して補欠授業が実施されることになりました。

 学校の先生の気持ちにも生徒側の気持ちもよく分かる、訴え先の不透明な問題がブラジル社会を取り巻いています。ブラジルで来年開催されるオリンピックの話題なんて雲上の話で、ブラジル庶民は政府への不信と目の前の現実にもっぱら関心が向いています。


学校施設のメンテナンスが教員のストの訴えにも含まれている。サンパウロ州立学校の壊れた黒板

学校施設のメンテナンスが教員のストの訴えにも含まれている。サンパウロ州立学校の壊れた黒板



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2 - Comments

いとうより:

2015 年 07 月 15 日 18:07:28

いとうです。

日本では、新国立競技場のコスト問題が話題です。総額約2500億円とは、
いかがなものかと、アスリートたちも声を上げ始めました。

大きなイベントは様々な効果があるのは確かですが、「身近な問題の解決を」
という声はどこにもありますね。

大浦より:

2015 年 07 月 15 日 19:21:29

〉いとう さま
 うーん、なんだかブラジルの問題は付焼刃的な解決策が多い気がしてきます。。。

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