ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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ブラジルの公立学校の成績表

ブラジルの公立学校の成績表

 ブラジルの小中学校の教育現場でも、学習障害や行動障害に対する意識は低くありません。

 そのことを象徴する一つの事例が、公立学校の成績表に見られる、心理カウンセラーや精神科の受診を求める項目です。

 ブラジルの公立学校(小中学校年齢)は4学期制で、年に4回成績を発表し、それに合わせて保護者会が開かれます。現在、成績表は4学期に分けられ、各科目の10段階評定のほか、学校生活における生徒の問題点と評価点、生徒への提言、保護者への提言など、全部で46のチェック項目があります。

 その45個目の保護者への提言に「必要に応じて心理カウンセラーや精神科の評価を求める」という意味のチェック項目があります。

 20年以上前に日本で教育を受けていた時、繊細な心の問題について、成績表でダイレクトに直言する項目はありませんでした。それを思うと、ブラジルはやはりとてもダイレクトです。 

 日本であれば、公の評価の中にこのような項目があれば、何か恥ずかしいこととか、人に知られたくないというような心理も働きがちではないかと想像します。それに比べて、ブラジルの一般的な傾向として、子どもでも心理カウンセリングや精神科を必要とすることはもっと自然なこととしてとらえているように見えます。

 知人との会話の中でも、お子さんが学業不振や学校での友人関係の問題で先生に教育カウンセリングと精神科を受診することを勧められ、長期間かけて通った結果、少しずつ改善する事が出来たという話がありました。

 精神科や心理カウンセリングを教育現場に生かすのは自然なことと感じさせるブラジルの成績表です。


成績表の「保護者への提言」の中の45番にある「必要に応じて心理カウンセラーや精神科の評価を求める」というチェック項目

成績表の「保護者への提言」の中の45番にある「必要に応じて心理カウンセラーや精神科の評価を求める」というチェック項目





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