結構疲れる?ドイツのクリスマスと年末年始
2020.01.07 up
現在クリスマスツリーの設置中。ちょっと傾いているように見えるのは気のせいでしょうか…
明けましておめでとうございます。
日本では、クリスマスが終われば、翌日に町はお正月飾りとなり、大晦日、そして新年へのカウントダウンを一日ずつ感じることができるように思いますが、ヨーロッパにいると、大晦日も元旦もクリスマスの延長、といった感があり、何となく消化不良な気分で新年を迎える在欧邦人は少なくないよう。
何とか無事クリスマスツリーのデコレーションも完了、ゲストが来るのを待ちます
ヨーロッパのクリスマス行事は、日本のお正月を思い出させます。普段会わない家族・親戚と、否応なしに食事の席で顔を合わせる機会となるので、にぎやかで楽しい反面、お互いあまり仲が良くない者同士が顔を合わすと、もめたりすることも…(苦笑)。
今回は、ドイツに住む家族と過ごしたクリスマスと年末のお話をご紹介したいと思います。地方により様々だと思うのですが、筆者の義理家族や親戚が在住する北部では、クリスマスが近づくとツリーを買い求める人が多くなります。11月末頃から、ホームセンターやスーパーマーケットなどで、色々な大きさのツリーが網に入れられて、販売されるようになります。
北部ドイツで多い、鯉料理がクリスマスイブの夕食
ただ少し驚いたのは、木を早めに購入しても、実際ツリーを部屋に立てて、デコレーションをするのは、12月23日~24日頃とかなりぎりぎりなこと。「そんなクリスマス前日にツリーを飾っても、クリスマスが終わったらすぐ片付けてしまうのだし、もったいない」と思っていましたが、ドイツ人の知人曰く「部屋が暖房や暖炉で暖かく、木がすぐ乾いて葉が落ちきってしまうので、あまり早くからツリーを飾らない」のだとか。
クリスマスが終わると、店には花火や爆竹などが販売されるように
その後ツリーはクリスマスが終わり、年が明けて数日後の1月6日に、やっと他のクリスマス飾りと共に片付けます。ちなみに1月6日は、東方の三博士(三聖王)が、イエス・キリスト生誕を祝うべく、ベツレヘムへ贈り物を持って訪ねてきた記念日である「公現祭(エピファニー)」となっています。
さあ、やっとツリーを飾ったと思ったら、今度は家族や親戚たちが続々義理の両親宅へ到着。今回は8人が集まりました。
ドイツでは12月24日のイブには、ささやかな食事をいただき、翌日25日のクリスマスの日にシカやカモ、ガチョウなど肉料理を食べたりするようです。イブの日によく食べられるのは、例えばソーセージやポテトサラダなどですが、北部ドイツは海に接しているからなのか、鯉やサーモンなど魚料理を伝統的に食する家庭が多いです。
こうしてシンプルに煮た鯉を、ソースやジャガイモと一緒にいただきました。
来年はどんな年になるかな?蝋をスプーンに乗せ、ろうそくの火で液体にしたら冷水に落とし、固まった形で占います
クリスマス当日と翌日は祝日で、町中の店は閉まったまま。12月27日頃からは店もまた一斉に営業を始め、今度はセールが始まります。この時同時に売られ始めるのが、新年を祝うための花火や爆竹。ワゴンに山と積まれている花火を店頭でよく見かけます。
他にも、ドイツの年末ならではのちょっとユニークな伝統もあります。それは蝋などを溶かして水に落とし、固まった形によって新年がどんな1年になるか占う「ヴァクスギーセン(Wachsgießen)という遊びです。以前は鉛を溶かしていたので「ブライギーセン(Bleigießen)」という呼ばれ方が一般的だったのですが、2018年より有毒である鉛の使用が禁止となったため、蝋などを用いて占いをするのが主になっているよう。
果たして無事年は明け、翌日の町はロケット花火や爆竹などで盛り上がった痕跡を、あちらこちらに見ることとなります。そして、新年が明けた余韻に浸る間もなく、1月2日から人々は通常の生活、仕事へと戻っていくのです。
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