ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

前の月へ

2024.12

次の月へ
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31     

ウンバンダの儀式の一こま

ウンバンダの儀式の一こま

アフリカの文化の影響を受けた宗教はいくつかありますが、
ウンバンダは、アフリカの宗教やキリスト教、イスラム教、ヒンズー教、そして先住民の文化など様々な宗教の要素が取り入れられています。
バイーア州だけでなく、サンパウロ州やリオデジャネイロ州などブラジル南東部でも見られる宗教です。


ウンバンダの儀式で、炊いた香を全身に受ける人

ウンバンダの儀式で、炊いた香を全身に受ける人

 サンパウロ市ではいくつものウンバンダのグループがあり、信者はそれぞれの所属するテレイロ(礼拝所)に集まって様々な儀式を行っています。
 それ以外に、サンパウロ市近郊のサントアンドレ市という町の森林地帯の合間には、ブラジルのウンバンダ連盟によって設けられた聖地があります。
 ウンバンダの暦で特別の日には、各地から信者が集まってきます。


サントアンドレ市のウンバンダの聖地では、木々の生い茂る合間の区画されたスペースで各グループが儀式を行う。

サントアンドレ市のウンバンダの聖地では、木々の生い茂る合間の区画されたスペースで各グループが儀式を行う。

 聖地では入口で一人7レアルの入場料を支払います。普通はそれぞれのウンバンダのグループで訪れます。
 生い茂る緑の木々の合間に、いくつものスペースが区画されています。各ウンバンダのグループはスペースを貸しきって、特別な日に聖地で心新たに儀式を行います。

 儀式で長い時間奏でられる太鼓のリズムと歌の雰囲気は、ブラジルを代表するサンバの音楽を思わせられます。



儀式で使い終えたアタバキ(太鼓)を聖なる滝で清める人

儀式で使い終えたアタバキ(太鼓)を聖なる滝で清める人

 ウンバンダでは、キリスト教のカトリックの聖像にアフリカの神々を結び付けた聖像を祭ります。
 聖地にも様々な大きな聖像が祭られています。
 それぞれの聖像の前ではそれぞれの神様に合わせたロウソクや食べ物などが供えられています。
 聖地には小さな滝があり、人々は体や儀式に使う楽器を清めたりもしています。


サントアンドレ市の聖地にある大きな聖像の前に集まる人。像の前にはお供え物が置かれている。

サントアンドレ市の聖地にある大きな聖像の前に集まる人。像の前にはお供え物が置かれている。


レポーター「大浦 智子」の最近の記事

「ブラジル」の他の記事

  • 11152 ビュー
  • 11 コメント

11 - Comments

sabaより:

2009 年 12 月 18 日 18:28:43

聖地に区画されたところでそれぞれのグループが儀式を行うというのが面白いですね。
なぜかマンションタイプの納骨堂を思い出しました。

tomokoより:

2009 年 12 月 19 日 17:58:32

確かに!マンションタイプの納骨堂の原始的バージョンかも!本当に色んなグループの人が隣り合わせて歌って踊って儀式して・・・これまたカラオケハウスのような発想ともいえるかも!です。

sabaより:

2009 年 12 月 20 日 09:31:09

tomokoさん、ありがとうございます。

隣の音楽と混ざったり引きずられたりしないんでしょうかね。
知らぬ間に同じになってたりとか。

manaより:

2012 年 12 月 27 日 16:00:47


ちょっと気になったので知っていたら教えて頂きたいのですが…
各グループが儀式をするようですが、なぜ一緒にしないのでしょうか?
人数が多いからなどの理由でしょうか?
あとひとグループは大体何人ぐらいなのでしょうか?

今Umbandaについて調べているのでコメントさせて頂きました。

大浦より:

2012 年 12 月 27 日 19:31:46

manaさん
 この場所はサンパウロ近郊にあるウンバンダの聖地とされている場所、というか、ウンバンダを信仰する人たちが集まってくるサンパウロの本部のような場所です。各グループというのは、普段、それぞれが所属している礼拝所のグループです。例えば、キリスト教徒でも、それぞれがどこかの教会に属して通う様な感じで、ウンバンダもあっちこっちに正式に法人登録されたような礼拝所があり、それぞれが各礼拝所の一員として加わっています。
 大きな礼拝所グループなら百人以上、小さなところでは20人ほどの所もあるのではないかと思います。人数はよく分かりませんが、我が家の近所にあるウンバンダのグループは、20人から30人くらいのグループに見えます。

manaより:

2013 年 01 月 05 日 15:22:20

大浦さん

遅くなってしまいすみません…
わかりやすいご説明ありがとうございます。
なるほど。所属によってグループがあるということなんですね。

あともう少しお聞きしたいことがあるのですが…
普段の儀式はだいたいどれくらいの時間行っているのでしょうか?
特別な日は儀式の時間が長くなる場合もあるのでしょうか?
グループによって違いますかね…

それと、お清めは儀式のあとのみでしょうか?
日本の場合、お清めしてから儀式をして、儀式終了後に再びお清めのイメージがあるのですが…
?

大浦より:

2013 年 01 月 06 日 18:34:01

manaさん
 普段の儀式は二時間くらいです。近所では毎週土曜日の夜10時くらいから12時くらいまでやっています。比較的それが一般的かと思われます。白熱の二時間という感じです。
 特別な日は始まる時間も違い、長さも少し長くなったりいつもと違うこともやったりしているといった印象はあります。
 見ていた感じ、儀式の前に部屋の掃除くらいはされていると思いますが、タラタラっと信徒が集まって、着替え終わったらお祈りから始まるという感じでした。ただ、儀式の始まりのころに空気中にペンバとかいう粉(名前は正確に覚えていません)をまきます。あれは一種のお清めに近いことで、異空間にする意味が含まれていると思います。グループによって微妙に差はありますが、大方変わりはないと思います。
 そういえば、サンパウロには、由緒ある礼拝堂みたいな場所や、ウンバンダの情報館みたいなこじんまりしているけれどきれいな建物の場所があります(まだ中に入ったことはありませんが)

パウリスタより:

2013 年 03 月 20 日 12:50:42

現在、サンパウロに滞在しています。最寄り駅は地下鉄のSanta Cruz駅です。
イブラプエラ公園の近くです。
滞在があと1週間しかないのですが、旅の目的のひとつであるカントンブレーとウンバンダの見学が実現できていません。
もしよろしかったら、テヘイロの連絡先やウンバンダの情報館の場所を教えて頂けないでしょうか。

大浦より:

2013 年 03 月 24 日 19:28:54

>パウリスタさん
 情報館と言うか、私の記憶違いで、一つはウンバンディスタ養成学校でした。この学校のある近くには割と多くのテレイロもあります。
FTU - Faculdade de Teologia Umbandista
Avenida Santa Catarina, 400 - Vila Alexandria - São Paulo ? SP
tel 5031-8852
 サンパウロ市内で由緒あるテレイロは下記の所です。
TERREIRO “ACHÉ ILÉ OBÁ”
Rua Azor Silva, 77 - Vila Fachini
Tels: 55 11 5588-2437
 リベルダージの出版社の編集長から連絡も受けました。もし必要であれば、私の連絡先を編集長の方から聞いていただくようよろしくお願いします。

今井パウロ喜代司より:

2016 年 03 月 01 日 09:09:14

私が所属するテヘイロ(聖地)は岐阜県土岐市に有ります。良かったら是非一度足を運んでください。

大浦より:

2016 年 03 月 22 日 23:07:17

>今井さま
 お返事遅れて申し訳ありません。
 日本にもウンバンダ進出しているんですね!興味深々。。
 いつかまた機会があれば訪ねてみたいです。

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives