イタリアの結婚式と挙式前の”結婚の公示”制度
2009.11.07 up
長男の中学の数学女教師の結婚式、新郎新婦を囲む生徒達
イタリアで結婚式を挙げるには、民事婚と宗教結婚の2つの方法があります。
民事婚は教会で宗教儀式のもと挙式せずに役所に届けを出すだけなのが、俗に言う略式結婚ですが、その際役所管轄の簡単な挙式を行う会場が用意されています。
あるいは役所に届けを出した後、教会で挙式するのが宗教結婚と呼ばれます。
教会にて宣誓する新郎新婦
両方に共通する点は、挙式を上げる前にPubblicazinoi di matrimonio(結婚の公示)をしなければなりません。結婚する予定を公表することにより、第三者によりこの結婚に対する障害や反対や異議申し立てがない場合、結婚が認められます。
市役所の入口に掲示される”結婚の公示”
民事婚=略式結婚の場合は、民法の婚姻に関する項目92条に基づき、結婚の公示を結婚予定者の居住地の市役所に、氏名・出生地・生年月日の記載された用紙が8日間掲示されます。この期間内に異議申し立てがない場合、戸籍係より180日間有効の結婚認可書がおり、その間に式を挙げなければなりません。
ローマ市の場合、市役所の所在地Campidoglio(カンピドーリオ)内にあるエレガントな”赤い部屋”をはじめ、カラカラ浴場の近くの神聖さを失った教会など、4ヶ所の結婚式会場を提供しています。
”結婚の公示”の中に結婚予定者の用紙が貼り重なる
宗教結婚の場合も同じく、教会の掲示板に結婚の公示がされます。結婚式としてのロケーション抜群のローマにはたくさんの教会があり、本来お嫁さんの属する地元の教会区の教会で挙げるのが慣わしです。しかし、近年街中の人気のある教会で式を挙げるのが流行り、教会によっては1年前に徹夜して予約を入れたり、ウェィティングリストもあるほどです。
ローマ市の提供する結婚式会場、”赤の部屋”
日本のように役所に婚姻届出を出せば簡単に結婚が成立するのとは違い、このシステムは古風で、燃え上がる気持ちを冷ます冷却期間のようで、結婚する事に対しての慎重さと責任の重さが感じられます。この公示期間に起こりうるだろう災いを取り払い、無垢な結婚を迎えるのでしょう。その反面、イタリアは近年離婚率が高いのは何故でしょうか?
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タグ:結婚式、10月のテーマ
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