先代のローマ教皇ヨハネ・パウロ２世がポーランド出身でしたが、ポーランド人は信心深いカトリック教徒です。結婚式も教会で行われることがほとんどです。

結婚式の当日、綺麗な花をデコレーションした立派な車が用意されます。これに新郎新婦が乗り込んで、教会へ向かいます。面白いのが、その道中に起きる出来事です。近所の隣人が「おっ！結婚式に向かう車じゃないか！」とその車を見かけると、車の行く手を遮り、停車させます。すると、新郎新婦はその人にウォッカをごちそうしなければなりません。そうやって、道中に色々な人にウォッカで祝ってもらいながら教会へ到着します。

祭壇の前で神父さんに従って結婚の誓いを述べ、指輪を交換し、結婚の儀式が終わると皆が注目する場面が訪れます。それは花嫁、花婿どちら側にターンして退場するか？というポイントです。もし花嫁が自分側に花婿を引き込む形で後ろを向けば、これから花婿は尻に敷かれるということを意味します。逆の場合は、亭主関白になるということです。お互い譲らない場合は、しばし引っ張り合い？になることもあるようです。

新郎新婦が教会を退場すると、出口では小銭が投げられ、それを新婚夫婦は懸命に拾い集め、どちらが多く拾えるか競います。多く集めた方が、将来よくお金を稼ぐと言われるからです。結婚早々、新郎新婦はなぜか競い合うことが多いのが面白いですね。教会の前で、招待客が列を作って新郎新婦に順番にお祝いを述べ、家電製品や食器類、お金と花束などのプレゼントを渡して祝福します。

一行は、披露宴会場となるレストランやホテルへ移動します。入り口には新郎新婦の親が、パンと塩、ウォッカを持って待っています。これを口に入れると夫婦は今後食べ物に困らないというジンクスがあります。シャンパンで乾杯をし、コース料理が運ばれ食事となりますが、その間日本のようなスピーチはなく、ひたすら皆で食べます。

食後からが盛り上がりを見せるパーティーの始まりです。生バンドの演奏に合わせて、老若男女が陽気に踊り、その間ウォッカで乾杯をし、時には皆が手をつなぎ輪になってグルグル踊ったりもします。椅子取りゲームやぞうきんを使ったサッカーゲーム、リンボーダンスなど面白いゲームや花嫁がブーケを投げ、独身女性がそれを狙う日本でお馴染みの場面も見られます。こうして夜通し踊り、歌い、飲み明かし、結婚を祝います。

ちなみにこのカップル、奥さんがポーランド人で旦那さんはイタリア人です。奥さんの故郷のポーランドで結婚式を挙げました。

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