映画「ノルウェイの森」ドイツで公開中
2011.07.15 up
映画館に置いてあったパンフレット
フランクフルトでは6月30日から、日本映画「ノルウェイの森」が公開中です。村上春樹の小説「ノルウェイの森」をベトナム人のトラン・アン・ユン監督が映画化したこの映画、ドイツ語タイトルでは「Naoko’s Laecheln (直子の微笑み)」と訳されています。
映画館の前のポスター
通勤中に駅のホームで電車を待っていたときに、壁に映し出されるニュースでこの映画を宣伝していました。それで上映を知り、早速観に行ってきました。
映画は残念ながらひっそりとした小さな映画館1館のみで上映されていて、平日の早い時間だったせいか、お客さんも10人もいない程度でした。日本人は私と友達だけで、あとはドイツ人のおばさん3人組と一人で来ている男性が4,5人。映画はドイツでは一般的な、吹き替えだったので、ドイツ語を喋る松山ケンイチと菊池凛子がスクリーンに映し出されていました。
ドイツ語に翻訳された村上春樹の本の数々
村上春樹はヨーロッパの他の国々同様、ドイツでも人気のある日本人作家です。数々の小説がドイツ語に訳されて書店に並んでいます。大学の日本語学科でも教材に扱われているようです。
雑誌「シュピーゲル」のインタビュー
政治経済および文化をまとめた有名雑誌「シュピーゲル」にも、村上春樹へのインタビュー記事が載っていました。趣味のジョギング(及びマラソン)と執筆活動をテーマに取材されています。
気になる映画の感想は、賛否両論の様です。ドイツのハルキストは「彼の文学作品を映画化(映像化)することは不可能。」と、あくまで小説の描写とそこからのイマジネーションはこの映画とマッチしていないと、いまひとつ納得がいっていないようです。一方、映画の中に登場する自然あるいは音楽は美しく、素晴らしいという意見も多くみられます。個人的には、学生闘争や日本の当時の歴史的な背景や、繊細な日本人の心の動き、感じ方を全く知らないドイツ人には、なかなか共感できない部分が多いのでは?と思いました。ぜひ、小説をもう一度読んで、また日本語で映画を観てみたいです。
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