メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 自国の国歌以外の国歌って、オリンピックの表彰式など以外ではあまり聞く事がありませんよね。
 メキシコの国歌は、(誰が定めたか不明ですが)「世界の国歌のなかでもかっこいいもの」にも選ばれた事がある、勇ましい中にも長短取り混ぜた音調の、音楽的にもすてきなものです。
 メキシコの国歌はこちら(国歌以外にも歴史がざっと説明されています)。

 http://www.worldfolksong.com/anthem/lyrics/mexico.htm

 自分が好きで住んでいる場所の歌、という贔屓目をさしひいても、楽曲的にかっこいい、と思ってしまいます。


 さて、このメキシコ国歌。
 ちょっと内容が勇まし過ぎて「好戦的」ともとれますが、それは300年あまりにも及ぶ長いスペイン統治、その後の革命という歴史があったからこそ。自分たちの国、生活は自分たちでしっかり守って行くんだ!という強い意思の表れの歌なんだ、とメキシコ人達は誇りまくっています。

 
 お話変わってもう一つの歌。
 オリンピック会場やどこか(とくにメキシコから離れた異国)で、メキシコ人が数人いたら「おお!パイサノ!(同郷人!)」とよろこんで肩を組んで歌いだすのが、この「シエリト・リンド Cielito Lindo美しい空」。
 これがメキシコの歌、とは知らなくても、みなさんも耳にされた事はあるのでは?

 http://www.worldfolksong.com/latin/pop/cielito-lind.htm


こんな素敵な空なら、歌いたくなるのもわかります。

こんな素敵な空なら、歌いたくなるのもわかります。

 このシエリト・リンド、メキシコ国民の心にある第二の国歌みたいなもので、家族のパーティなどで気分が良くなっちゃったら必ず(必ず!)歌いだしちゃう歌。
 
 そこで生まれたのがこんなジョーク。
 ジョークではあるのでしょうが、でもそれもわかるなぁ、と。
 メキシコの国に滞在、労働する不法滞在者を取り締まる移民局の係員が、工事現場などに抜き打ちで「不法移民チェック」をしに行った所、メキシコのスペイン語とはちがう訛りのあやしい者が数名。いぶかしく思った係員が彼らに「メキシコ人なら歌えるだろう。メキシコ国歌を歌ってみろ」と。

 で、彼らが歌いだしたのは、この「シエリト・リンド」。
 ア~イア~イアイア~イ カンタ ノ ジョレ (泣くなよ、歌え!歌うんだ!)
 だって、メキシコ人、うれしかったり楽しいときにはいつもこの歌歌うから、不法移民たちはこれが国歌だと思い込んで…というもの。

 歌の意味も相まって、少々皮肉っぽいジョークです。




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