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中国:上海

イエン ヨウコ

職業…書き描き屋

居住都市…上海市(中国)

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何やら途絶えることのない長蛇の列

何やら途絶えることのない長蛇の列

日本にいるとある日突然、それを知らないことが恥ずかしいことのようにさえ思えてしまう
空前のスイーツブームが起こることがありますね。
ティラミスにカヌレ、パンナコッタ……。ものすごい勢いで取り扱い店舗が増え、
みんなにもれなく浸透したころにそのブームが去って行きます。
(余談ですが私はカヌレが好きで、少し前に上海で見つけた時には、
思わず小躍りしてしまいました)

さて、上海にもそのような食べ物のブームがやって来ることがあります。
それは「小吃(シャオチー)」、いわゆるB級グルメです。


よくみると32%オフと貼り紙が

よくみると32%オフと貼り紙が

例えば、普段あたりまえのように人々が朝食として購入していた包子(パオズ)、
肉まんや野菜まんなど餡が入っているものを言います(中身が入っていないものは饅頭)。
そんな普遍的な食べ物である包子に革命を起こしたと言いましょうか、
大ブームを起こした店に「巴比饅頭(バービーマントウ)」という店がありました。
ある日その店が流行り出すと、街のあちこちに同じような饅頭屋が並びました。
中には紛らわしい名前をつけて「比巴饅頭(ビーバーマントウ)」なんて店も。
通りの2軒先にはもう饅頭屋というぐらいに店が立ち並び、ひとしきり流行ります。
しかし、ブームが去り、1軒消え、また1軒消え……と淘汰されていくと
今度はその跡地に違う小吃の店がオープンします。
小スペースで開業ができるため、いろんな人が一攫千金を夢見て挑戦しやすいということも
ブームを加速させ、またブームで終わらせてしまう理由の一つなのかもしれません。

近年の小吃の中で最も印象深いのは、「土家焼餅(トゥージィアシャオビン)」という
クミンなどのスパイスがきいた中国式ピザなのですが、
これは全国的に流行したらしいものの、そのブームは2005年から2006年中頃あたりまで
だったようです。上海の街角では一時期、一店舗だけで毎日数千枚もの土家焼餅を売り上げて
いたと聞きますが、残念ながら上海ではもう食べられないのではないかと思います。

そんな中、おしゃれな上海っ子たちや、地元の中高年者で賑わう
淮海中路(ファイハイジョンルー)に行列を見かけました。


紫薯餅

紫薯餅

新規開業したのは、「生態紫薯」という看板を掲げた紫薯餅の店でした。
「紫薯餅(ズーシュウビン)」というのは、紫芋餡を中国式パイ生地で包んだおやつ。
生地にはごまもたっぷり。

紫薯餅そのものは昨日今日出て来たものではなく、紫芋を使った食べ物も
そう珍しいものではありません。
しかしながら美肌、美白効果、発ガン予防、動脈硬化、高血圧予防などなど、
健康、安全というキーワードに敏感な人々のココロをくすぐるキャッチコピーや
解説と共に、オープン記念の大特価とくれば、並んでみたくなるのが人というものですね。
女性やお年寄りに好まれそうな感じです。

さあ、この紫薯餅は次のブームをおこせるでしょうか。
いや、一過性の人気で終わらぬよう、がんばってもらいたいものですね。




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