南アフリカ

南アフリカ:ヨハネスブルグ

及能 直子(きゅうの なおこ)

職業…会社員
居住都市…ヨハネスブルグ(南アフリカ)

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新聞での選挙特集記事(The Star紙)

新聞での選挙特集記事(The Star紙)

南アではズマ大統領(ANC-アフリカ民族会議)の任期満了に伴い、5月7日に総選挙が行われます。この日は、多くの人が投票に行けるようにとの配慮で、祝日となることが決まりました。

今年は、アパルトヘイト廃止後の1994年にマンデラ元大統領が当選し、ANCが与党となってからちょうど20年目となる節目の年でもあります。以来、黒人の圧倒的な支持を集めるANCが、今日まで与党であり続けています。

今回の選挙でも、ANCの勝利は間違いなく、ズマ大統領の再選は確実とみられていますが、それでもANCの支持率は、4年前の前回の選挙よりも下げるとの予想がなされています。


先週のイースター時には、チョコレート売り場で主要党首たちがイースターエッグになって登場していました。右端が、ズマ大統領です

先週のイースター時には、チョコレート売り場で主要党首たちがイースターエッグになって登場していました。右端が、ズマ大統領です

支持率低下の背景には、いっこうに生活が向上しない貧困層の不満と高い失業率が挙げられます。失業率は、いまだに25%前後と高く、特に貧困層の若者は、仕事がないので犯罪に手を染めることが少なくありません。貧困層が多く住む地域では、平日昼間でも、仕事がないためブラブラとたむろしている人を大勢見かけます。

また、ズマ大統領の故郷の私邸が、多額の公金(約23億円!)で改良されたという疑惑が選挙前に発覚したことと、ANC幹部らの相次ぐ汚職問題も国民の怒りをかっていることも支持率低下の原因でもあります。

多くの黒人が、「アパルトヘイトが終わって20年たち、自由にはなったが生活は何も変わっておらず、貧しいままだ」と不満を漏らします。黒人は身分証明書を持ち歩いていないと罰せられ、居住地域も自由でなかったアパルトヘイト時代に比べると、心と身体は自由になりましたが、貧困からは多くの人が抜けられていないのが現状です。

貧困問題は、たとえ政府が変わったからといって、すぐに解決するような問題ではありません。なんでもスローペースのアフリカですので、さらに20年、30年とたって、ようやく進歩が見られるのかもしれません。


ヨハネスブルグの中華街で見た、ANCの選挙ポスター。中国系が多く住むエリアということもあり、ちゃんと中国語でかかれています。ここまでするとは、驚きました

ヨハネスブルグの中華街で見た、ANCの選挙ポスター。中国系が多く住むエリアということもあり、ちゃんと中国語でかかれています。ここまでするとは、驚きました




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  • 2 コメント

2 - Comments

かなやより:

2014 年 04 月 30 日 17:48:14

総選挙の行方、日本でも注目しています

道下より:

2014 年 05 月 01 日 14:40:30

人権は回復し差別が緩和されても経済状況はさほど変わらない。やっぱり、リーダーですよね。そして政治のありようなんですね。

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