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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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簡単なコスプレであいさつした張碧娟(ジャン・ビージュエン)校長

簡単なコスプレであいさつした張碧娟(ジャン・ビージュエン)校長

 今年の台北市立第一女子高級中學(以下、略称の北一女)の卒業式は、7月31日付で退任が決まった張碧娟校長の卒業式でもありました。

 昨年は優しく包容力ある笑顔で卒業式を見守った張校長は、最後ということもあってか、今年の卒業式では違う一面が見られました。

 まずは、上の写真。
 シルクハット、ステッキ、マント(全部卒業式実行委員会のメンバーの手作りです)の簡単なコスプレで、冒頭のあいさつと来賓紹介に登場し、開口一番、「みなさ~ん、私がグリーンパークサーカス団団長の張碧娟です!」とあいさつ。場内が笑いに包まれ、雰囲気が和んでいきましたが、サーカスにまつわる”最後の授業”を行ったことで、卒業式の終了が10分遅れました。


式の途中でTV局の取材を受ける張校長

式の途中でTV局の取材を受ける張校長

 式の途中では、最後の卒業式ということで、取材に来ていた台湾のTV局のインタビューに応じ、「生徒たちと共に、私自身、北一女から卒業できることを大変、誇りに思う」と語りました。

 


卒業証書授与前の一コマ

卒業証書授与前の一コマ

 今年の卒業式最大のハイライトは上の写真。

 卒業証書授与を行う前のことですが、張碧娟校長が2階席にいる卒業生に向け、「卒業生、起立!」と号令をかけました。その後、私語を止めない姿が見えたのか、すぐさま「私語を慎みなさい!」と一喝。身が引き締まるような、厳粛な儀式の場をつくり上げました。

 たった一言で、1,018人の卒業生をおとなしくさせ、校長としての威厳を示した瞬間でした。
 少なくとも私の前では、優しい笑顔でいることが多い張校長が厳格な一面を初めて見せたので、驚きを禁じえませんでした。


卒業証書を受け取る張碧娟校長

卒業証書を受け取る張碧娟校長

 卒業証書授与を終え、自分の席へ戻ろうとした張校長ですが、そこに聞こえたのが「これより、張碧娟校長の卒業証書授与式を行います」の一言。

 卒業式実行委員会と担当の先生たちが内緒で進めていたようです。張校長のリアクションは「えっ、あたしなの?」という感じでしたが、前へ行き、実行委員会の委員長が持ってきた特大の卒業証書を受け取り、上の写真のようになりました。


校長の卒業証書の準備の様子

校長の卒業証書の準備の様子

 上の写真は6月3日に撮影したものですが、張校長の卒業証書はこのような感じで作成されました。この卒業証書、張校長はうれしかったようで、式の終了後に尋ねてきた先生たちに、うれしそうに見せ、記念撮影を行っていました。
 
 生徒たちから「校長ママ」と呼ばれ、慕われてきた張校長の人柄を伺わせる光景です。2009年8月に始まった北一女での校長生活を締めくくる上で、最高の思い出を生徒たちと共につくることができたのではないかと思います。

 


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