ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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サンパウロ市の東洋人街の路上で雑貨を売る中国人(11月6日)

サンパウロ市の東洋人街の路上で雑貨を売る中国人(11月6日)

 昨年、北海道を訪問した折に道内のホテルに泊まった。朝食の折に中国人が目に付いた。東京や京都だけでなく北海道へも観光客が足を延ばしているのに驚いた。彼らは地球の反対側へも果敢に出向く。その積極姿勢には脱帽だ。


 東京滞在中は銀座通り近くの常宿に泊まる。ブラジルへ戻る前日午後、通りに出たら歩道に外国人観光客があふれていた。バッグ専門店を覗くと、1個5,400円均一の中型スーツケースを手にレジの前で並ぶ中国人の列。その数7人。これが“爆買い”という光景か。


 今年2月、クルーズ船での船上講演のため南アフリカへ飛んだ。ヨハネスブルグの空港税関に入国審査を受ける若い中国人が400人ほど。中国政府はアフリカ諸国へ資源開発や鉄道・橋梁建設の援助協力をしている。従事する社員たちだろうか。
 乗船中、アルゼンチン人の複数のミュージシャンに会った。彼らは「ブエノスアイレス近郊の村に中国人がコミュニティを作り始めた」と語る。
 3年前にはバンクーバーへ行った。市内リッチモンド区は中国人居住地区に変貌、中国料理店が軒を連ねていた。


 ブラジルにも既に25万人近くの中国人が何らかの形で入国し、地方には住まずサンパウロ市の東洋人街を中心に活動する。同街を始め、最近は問屋街や日系企業・大企業がオフィスを構えるパウリスタ大通りにも雑貨販売店が目立つ。彼らは都会での商売に徹しているようだ。 


 かつて、日本移民は農業従事者としてブラジル各地に住みつき、そこを基点に頑張った。「一所懸命」の言葉を思い出す。その結果、勤勉で信用があり高い教育レベルの揺るぎない日本人像が形作られた。107年の彼らの地味な努力は称賛に値する。
 ブラジルでの中国人増加は今後も続きそうだ。日系人数150万を凌駕するのは時間の問題か。


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タグ:サンパウロ

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