メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

前の月へ

2024.4

次の月へ
S M T W T F S
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

 トマトやチレ(唐辛子)を多用するメキシコ料理はその奥深さから、ユネスコの世界遺産にも登録されています。

 日本に来た海外の方がお味噌汁の美味しさにおどろき、その多様性に感心されるように、在住7年目になる私もまだまだ「おふくろの味」に驚かされる事ばかりです。

 先日、日本から姪が訪ねて来たのをいいことに、親戚中で一番の料理番長ドニャ・チューイ(チューイおばさん)から、彼女の料理を習うチャンスがありました。なんとこのチューイおばさん、80年代にはカリフォルニアのマイケル・ジャクソンの邸宅で住み込みで働き、彼を一晩で2kgも太らせてしまった凄腕の持ち主。


貫禄のチューイおばさんです。

貫禄のチューイおばさんです。

 今日のレッスン内容は、彼女が子どもと孫に食べさせる「Arroz a la Mexicanaメキシカンライス」です。
 日本とは違う長粒米(ぱらぱらのお米)を使って、トマトとタマネギを出汁に使うぱらぱらふわっと軽い食感のご飯です。主食というよりも付け合わせ、メキシコでは「汁なしスープ」という立場のこのご飯。今まで見よう見まねで何度も作ってはいましたが、どうもあのぱらっとふわっとしたものにはなりませんでした。

 まず、深めのフライパン(鍋でも)にたっぷりと注いだ油を熱し、長粒米(安い物で1kg 12 ペソ、約90円)を洗わずにカップ一杯入れます。弱火でじっくり、時々かき混ぜながら米全体が軽いきつね色になるまで炒めます。油で煮る、ように。その間に、ミキサーでトマトとタマネギを潰して水と混ぜ、それをカップ2杯分、塩とともにお米に注ぎます。あとはフタをして、水分が無くなったら2ー3分。これだけ。

 細切れのインゲンやピーマンを加えてもいいでしょう。味のベースにチキンコンソメが入る事もあります。

 これが基本の「Arroz a la mexicana」。
 毎日、トマトベースの赤だったり、濃い緑のピーマンの仲間を使う緑だったり、白いご飯(でもコンソメと塩で味付けはされている)だったり。簡単だけど奥深い味になるのはたっぷりの油のせいでしょうか。


ひたひたになるほどの油!これがウマさの秘密!

ひたひたになるほどの油!これがウマさの秘密!

 


真似して作ってみました。できた!

真似して作ってみました。できた!

 スローフードという言葉が流行って数年。
 メキシコの一般家庭の食事はつねにおばちゃんの手作りがあり、そこに家族も近所の人も集まって来ます。
 食が人を幸せにさせる、とてもシンプルで基本的な事だと思います。だからこそ、おばちゃんたちは「料理上手」と言われる事に誇りをもち、いつ誰が訪れても幸せな気持ちにさせられるように、なにかを用意して待っているのです。



レポーター「龍崎 節子」の最近の記事

「メキシコ」の他の記事

  • 843 ビュー
  • 2 コメント

2 - Comments

道下より:

2015 年 04 月 06 日 15:47:52

油が多いと感じるのは私だけでしょうか。むしろ当たり前ですか

Setsuより:

2015 年 04 月 22 日 10:10:11

道下さま

コメントありがとうございます。

油、たっぷりというか、どぼどぼです。
こうしないとだめなんだそうです。怖い。

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives