先日、夫が
「ランニング仲間のオランダ人に、もうすぐ赤ちゃんが生まれるらしい。
でも彼は、結婚していないんだよね。
しかも今回の子供は、二人目なんだよ。
オランダでは普通のことらしいけど、日本人には不思議な感じがするね」
と話していました。
そこでオランダでの「結婚していないカップルから生まれる子供」の割合に興味を持ち、調べてみました。

OECD Family Databaseのエクセル資料「SF2.4 Share of births outside of marriage」より
下のリンク先のOECD編纂の資料によると、2014年のデータではオランダで生まれる子供のなんと48.7%が婚外子なのだとか。
参照資料:「OECD Family Database」
http://www.oecd.org/els/family/database.htm
(OECDとは、経済協力開発機構の略称。世界中の人々の経済や社会福祉の向上に向けた政策を推進するために活動を行っている国際機関。)
データに掲載されているのは42か国、1位はチリの71.1%、最下位の42位は韓国の1.9%でした。
ちなみに我らが日本は2.3%で、下から二番目の41位です。
中国のデータはなかったのですが、婚外子が少ないのは東アジアの特徴なのかもしれませんね。
そしてOECDの平均は39.9%で、オランダの48.7%は17位でした。

オランダでこれほど婚外子の割合が高いのは、1998年に同性間・異性間カップルの両方に「結婚と同等の権利」を認める「登録制パートナーシップ制度」が適用されたことに理由がありそうです。
この適用以前の1995年にはオランダの出生率は1.5%まで落ちてしまったようですが(前述の「OECD Family Database」参照)、2013年には1.7%まで持ち直してきました。
(ちなみに日本は1.4%とされています。)
そして結婚していない子供が大半のオランダ社会で、子供が不利益を被っているなんていうことは全くありません。
それどころか、ユニセフの調査で2007年と2013年にオランダの子供たちは「世界一幸せ」の太鼓判を押されています。
参照記事:「Dutch Kids Ranked Happiest in the World」
http://www.dutchdailynews.com/dutch-kids-ranked-happiest-in-the-world/
世界には様々な価値観があり、様々な幸せがありますね。
そしてつくづく、オランダは多様性に富んだおおらかな国だと感心します。
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