ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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リオ五輪のモニュメントの前でポーズを取るブラジル人家族

リオ五輪のモニュメントの前でポーズを取るブラジル人家族

 やや旧聞になったが、リオ五輪開催でこんな言葉が頭に浮かんだ。ブラジル人は「大らか、のん気、楽観、大ざっぱ、無頓着」、日本人は「生真面目、短気、悲観、神経質、繊細」。両国の国民性を比べると、振る舞いや思考がまるっきり反対で興味深い。


楽天的で明るいブラジルの若者(2014年のサッカーワールドカップで)

楽天的で明るいブラジルの若者(2014年のサッカーワールドカップで)

 まず「大らか」。ブラジルでは、会合が定刻より5分遅れで始まるのは当たり前。5分前に必着の日本人には理解できない。しかし、お互いが許し合うのでストレスはたまらない。
 「のん気」。一部の外国人選手やメディア関係者が宿舎のトイレの紙がないと騒いだ。ブラジル人は「なければないで何とかなる」。日本人なら大半が真剣な顔つきで憤慨しそう。
 「楽観」。五輪関連工事に携わったブラジル人は「まだ1週間もある」。日本人なら「あと1週間しかない」の思いだろう。追い込みで底力を発揮し、間に合わせるのがブラジル式。


楽天的で明るいブラジルの若者(2014年のサッカーワールドカップで)

楽天的で明るいブラジルの若者(2014年のサッカーワールドカップで)

 「大ざっぱ」。料理の面で顕著。ブラジル料理の大半はお皿一つにドカッと大盛り。取り皿多数、飾り付けや色彩効果に心を配る日本料理とは大違い。見た目よりも味で勝負か。
 「無頓着」。隣人が何をしようと何を買おうと、一切気にしない。「私は私、あなたはあなた」の世界で生きている。こんな社会だから、隣が高級車を買っても我、関せずの態度だ。


 以上が34年サンパウロ市に住んだ一日本人のブラジル観である。しかし、これはあくまで個人の感想であって、一概にそうだとは言い切れない。中流階級以上のブラジル人の中には理屈っぽい人が結構多く、逆に日本人にもゆったりした性格の人間がいる。


 ブラジル人は冗談を交わし合って物事を解決する傾向があるため、「いい加減な国民」という人がいる。この表現は少々きつい。それより「あっけらかんとした国民」がピッタリではないだろうか。


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