台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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試合中の様子

試合中の様子

 決勝トーナメント最終日は、男女の3位決定戦、決勝が行われますが、一番注目度が高いのは男子の決勝。女子の試合は、男子と比べ注目度が低く、報道での扱いも、どうしても小さくなりがちですが、今季は3位決定戦で面白い試合がありました。

 新北市私立南山高級中學(以下、南山高中)と台北市私立滬江高級中學(以下、滬江高中)の3位決定戦は、見ているこちらが思わずアツくなるような試合でした。


陳育緹(チェン・ユゥイティ)

陳育緹(チェン・ユゥイティ)

 試合は、南山高中が序盤から圧倒し、第3クオーター終了時で53ー39。最大で17点差がついた試合でした。

 その最大の立役者が、上の写真の陳育緹。
 チーム一小柄な身長158センチ、体重51キロのガードの選手ですが、その彼女が第4クオーターで敗色濃厚だったチームを救う活躍を見せました。
 
 試合のターニングポイントになったのが、残り4分49秒、49ー65の交代。
 滬江高中は、ゴール下で仕事をしてきたセンターとフォワードの主力選手を思い切って下げ、全員ガードの選手を起用しました。
 
 この結果、ゴール下のディフェンスを固めていた南山高中の選手たちの焦点が定まらなくなり、翻弄され、フリーになった陳育緹が1分足らずで3ポイントシュート3本を決め、追い上げる原動力になりました。


追い上げ中のベンチの様子

追い上げ中のベンチの様子

 残り3分37秒時で60ー67。
 このタイムアウトで滬江高中の布陣が元に戻りましたが、追い上げられた南山高中の選手とベンチには、余裕の色が完全に消え、焦りの色が目立ち、プレーにもキレがなくなっていきました。

 そして、残り11.29秒。
 ついに72-72と同点になりましたが、陳育緹は最後の4分49秒で13得点を挙げる活躍を見せました。


試合終了時にコートへ駆け込む選手たち

試合終了時にコートへ駆け込む選手たち

 延長に入り、両者の勢いは鮮明になりました。
 南山高中は足が地につかず、どこかふわふわした感じで、安定していた第3クオーターまでが遠い過去のように思えるくらいでした。

 これに対し、滬江高中は怖いもの知らずのイケイケ状態で、延長の残り4分11秒で逆転し、最後まで突っ走り、80ー77で勝ちました。


チームメイトに担ぎ上げられる陳育緹(上)

チームメイトに担ぎ上げられる陳育緹(上)

 試合終了と同時に選手たちの喜びが爆発し、コートに選手たちが駆け込み、この試合で25得点を挙げ、勝利に大きく貢献した陳育緹を思い切り高く担ぎ上げました。

 158センチ、51キロの陳育緹がこの日見せた活躍は、体が小さい選手たちに大きな勇気を与えただけでなく、大柄の選手の世界観で構成されている(感がある)バスケットボールの違う一面や魅力を改めて教えてくれたような気がしました。


*試合の様子
https://tw.video.yahoo.com/hbl/滬江高中vs-南山高中-20170305-hbl女子組季軍戰-完整賽事重播-070331079.html


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