ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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大手スーパーの店内に登場したクリスマスツリー

大手スーパーの店内に登場したクリスマスツリー

 テレビ報道によると、11月に入りサンパウロ市では、通りや商店街でクリスマス(ブラジルでは「ナタール」という)の装飾が始まった。例年なら12月初めだ。国内経済がコロナ禍で落ち込む中、例年より早めにムードを高め、プレゼント用品の売り上げを伸ばしたいとの願いからだろう。


 毎年、クリスマスの1週間ほど前から、市内の玩具類問屋街は買い物客でごった返す。店内や商店街ではジングルベルの音楽が流れる。衣服や食器、人形などを買い込み、プレゼントでいっぱいの大きな袋を持つ人で大混雑。年末を象徴する風景であり、クリスマスムードは高まる。しかし、今年は年初から商店の売り上げは激減している。


 大手スーパー「サコロン」(「大袋」の意)の店内にクリスマスの飾り付けがあると聞き、出掛けた。正面入り口には、高さ約1?のサンタクロースと2?のツリーが立っていた。平日の正午前後だったためか、客の数は少ない。その前を通りかかった買い物客の主婦イザベル・オリベイラさん(56)は「今年はどうなるのでしょうね。売れ行きはそんなに伸びないと思う。サンタさんも何だか寂しそうよ」と、表情はさえない。


 ブラジル国民の約80%はカトリック信者と言われる。イブには家族が集まり、9時ごろから静かに夕食が始まり、未明まで続く。年に一度、皆が会食する時だ。国内だけでなく国外からも駆けつけ、プレゼントを交換する。家族思いの気持ちはことのほか強い。年末年始の国民の休日はクリスマスと1月1日だけだが、24日のイブから新年第1週まで休暇を取る人は多い。


 コロナ禍一色は今も続く。まだ感染の衰えを見せていない。その影響で11月中旬現在、クリスマス商戦は活気がないようだ。コロナ感染者約600万人、死者16万人を超え、海外旅行もままならない。当分、この状態は続きそうだ。


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