ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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バナナを衣に包んで揚げてクリームを乗せたスシ・ドーセ

バナナを衣に包んで揚げてクリームを乗せたスシ・ドーセ

 ブラジルのすしブームの中で誕生したメニューで有名なのが、ホットロールです。細巻きを衣で包んで揚げるという発想で、すしを「温かい一品料理」へと変えるという大胆な進化を経て、今やデザートの領域にまで広がっています。その代表例が、近年登場したスシ・ドーセ(甘い寿司)です。


バナナを衣に包んで揚げてクリームを乗せたスシ・ドーセ

バナナを衣に包んで揚げてクリームを乗せたスシ・ドーセ

 ホットロールが初めて登場した時には、日本人には戸惑いを与えつつも、ブラジルではこの10年ほどで定着し、日本食店やブッフェ形式で寿司の並ぶレストランでは必ずサーモンを巻いたホットロールが並んでいます。すしがブラジルの日常に溶け込んだ象徴とも言えます。

 その延長線上に現れたのがスシ・ドーセです。今回目にしたのは、バナナを衣で包んで揚げ、その上にヌッテーラやドーセ・デ・レイチ、マラクジャ(パッションフルーツ)クリーム、コンデンスミルクをたっぷりとかけた一品でした。調理法はホットロールを強く連想させますが、味わいは完全にブラジルのスイーツ文化です。


ホットロール

ホットロール

 こうした甘い進化は、すしに限った話ではありません。ブラジルではピザにもデザートタイプがあり、通常より甘めの生地にチョコクリーム、バナナ、イチゴなどを乗せて焼き上げます。ホディージオ形式のピザ店では、仕上げにアイスクリームを乗せたピザが提供されることも珍しくありません。

 スシ・ドーセは、ホットロールが切り開いた「ローカライズされたすし」の流れの中で生まれた存在です。海外の料理を自国の嗜好に合わせ、楽しみながら進化させていく――その柔軟さこそが、ブラジルの食文化の魅力なのかもしれません。


ホットロール

ホットロール


デザート用のアイスクリームのトッピングしたピザ

デザート用のアイスクリームのトッピングしたピザ


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