ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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現在のジョエルマ・ビル

現在のジョエルマ・ビル

 1974年2月1日にサンパウロ市内で発生した「ジョエルマ・ビル火災」は、日常では考えられない大惨事となり、犠牲者が約200人に上ったそうです。サンパウロで最も悲劇的な出来事の一つといわれ、その事件にまつわる話が、忘れかけたころに思い出させるかのようにブラジルのテレビで伝えられることがあります。
《ジョエルマ・ビル火災のニュース映像(1974年)》http://videolog.uol.com.br/video.php?id=321235


 2005年に紹介されたジョエルマ・ビル火災で無念にもこの世を去った人々の話です。

“1990年のことです。サンパウロ市のサンペドロ墓地の管理人であるルイス・ヌーメスさんは、以前、墓地のどこかから助けを求める叫び声を聞きました。墓地の中を歩き回り、人を探し回ったものの、お祈りをする人が15人いただけでした。彼らに聞いても叫び声は聞かなかったとのことでした。
 ルイスさんは叫び声のする場所を探し続け、2日後にようやくその場所を見つけました。そして、叫び声の上がる13のお墓に水をまいたところ、叫び声は消え去り、墓地は静けさを取り戻しました。
 実は、この13のお墓は、ジョエルマ・ビル火災の犠牲者が埋葬されていたところでした。13人はエレベーターで逃げようとしましたが難を逃れられず、とうとう最後まで身元が判明されないまま、サンペドロ墓地に埋葬された人たちでした。”
《叫び声のあった墓地の映像ドキュメント》
<動画0> 
 高温に熱したビル火災の現場から、悲痛の叫びが受け止められなかった13人の霊魂は、お墓の中から水を求めてルイスさんに必死に訴えていたのです…

 彼らの魂の叫びとテレビやネット上で流される過去の映像は、火事の恐ろしさを改めて思い知り、二度とこのような火災が起こらないよう人々の教訓として生き続けています。


黄色いビルが現在のジョエルマ・ビル。大通りが交差する角に位置する

黄色いビルが現在のジョエルマ・ビル。大通りが交差する角に位置する




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