台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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お供え物がどっさり!

お供え物がどっさり!

 過去に台湾を旅行された方は、写真のような光景を見かけた事があるかもしれません。拜拜(バイバイ・お祈りの事です)を行なうために用意されたお供え物の山です。私が買い物でいつも利用している、カルフールの前で撮影しました。

 何のために拜拜を行なうか、写真を撮影した8月24日の事例で紹介しましょう。

 8月24日は旧暦の7月15日にあたり、「中元節」というあの世にいらっしゃる方々をお迎えして供養し、神様に家内安全等をお祈りする(拜拜をする)日となっています。この日は、街のあちこちでこうした光景がみられます。
 
 拜拜をするようになった経緯は、複数の説があります。
 そのうちの1つは、地獄に堕ちて鬼となった人々がこの世に帰ってくるのに合わせて、ごちそうやお供え物を用意して供養するようになった、という話。

 従って、中元節の8月24日は写真のようなお供え物を用意し、線香も焚いて供養をする、という事です。


リンゴの横にある金の紙に注目

リンゴの横にある金の紙に注目

 そしてもう一つ、忘れてはならないのが、上の写真の手前側にある、リンゴの横に置いてある金の紙。これは、金紙(「紙銭」ともいいます)と言われ、「亡くなった方があの世でお金に困らないように」と配慮して燃やすものです。多く燃やせば燃やすほどいい、とされています。

 しかし…
 よく考えて下さいね!

 台湾の8月といえば、毎日30℃以上を超える真夏。
 そこでこの金紙を燃やせばどうなるでしょうか?
 加えて、いかにも「アンタ、絶対に環境保護とは逆行してるやろ?」と突っ込みたくなるくらいに煙はモクモク。

 これが街頭のあちこちで行なわれる訳ですから、暑苦しいだけでなく、煙たいことこの上ない!

 そして金紙を燃やす炉を見ていると、大きなものから小さなものまで、更には網みたいなものまであり、歩いていて「燃え移ってこないだろうな?」と思う事もあります。

 それでも、中元節には毎年欠かさず、この拜拜は行なわれています。

 なお、この拜拜は中元節以外に、先祖供養の清明節(毎年大体4月初旬に設定されます)や旧暦の1月1日の休暇明けなど、節目の時にも行なわれます。

 もし、これから台湾へ行かれる皆さんが街でこの様子を見かけたら、「煙たいなぁ…」とか「暑苦しいなぁ」と思う前に、「ああ、これがあの拜拜(バイバイ)なのね…」という感じで流していただければ、と思います。





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