ドイツ

ドイツ:バーデン・バーデン

上原 飛鳥(うえはら あすか)

職業…旅行会社
居住都市…バーデン・バーデン

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テーブルにずらりと並んだマスタード。おばちゃん根性を発揮して、全部試食!

テーブルにずらりと並んだマスタード。おばちゃん根性を発揮して、全部試食!

ドイツ料理になくてはならない名脇役ともいえるのが、ゼンフ(Senf:ドイツ語でマスタードの意味)です。カリカリに香ばしく焼かれた、もしくはぷりっぷりに茹で上がったソーセージにピリッとした辛味と酸味を与えてくれるゼンフは、その土地によって種類も様々です。

一般的には、黄色くて粒がない滑らかで酸味があるマスタードが主流ですが、バイエルン地方で白ソーセージを頂くときは、甘くて粒々の触感が特徴的なマスタードが必要不可欠です。


お店の中。左側の白い壷が見えるカウンターでは、入れ物をもってくると量り売りしてもらえます

お店の中。左側の白い壷が見えるカウンターでは、入れ物をもってくると量り売りしてもらえます

デュッセルドルフには、100年以上の歴史を持つドイツ大手マスタード会社のレーベンゼンフ社(Loewensenf)があります。

創業者であるオットー・フレンツェルと妻のフリーダは、1903年現在のフランス、アルザス地方にあるMetzという町でマスタード店を開きます。しかし、第一次世界大戦のドイツ敗北とともに、ドイツ出身の二人はデュッセルドルフへ移ることを余儀なくされました。田舎町と違い、都会には競争相手となる同業者がたくさんいました。二人は試行錯誤を重ねて、“最高の品質の原材料を使い、自然な製造方法を忠実に守り、不自然で余分なものを一切入れない”をモットーにレーベンゼンフ社オリジナルマスタードを作り出しました。

そして、ドイツでは初めて真空ガラス瓶に詰めてマスタードを販売しました。これにより、衛生的に安全で、マスタードの辛味をそのまま逃がさず食卓に提供することに成功しました。


試食に没頭するお客さん達

試食に没頭するお客さん達

現在では、スタンダードなextra(辛いタイプ) medium(マイルドタイプ)bayerisch Suess(バイエルン風甘めタイプ)の3種類の他に、ディル風味、ペペロンチーノ風味、コショウ風味、蜂蜜風味、いちじく風味、オレンジ風味、洋ナシ風味などバリエーションがとても豊富です。

驚いたのは、デュッセルドルフで飲まれる地ビール“アルトビール”味や、お隣ケルンの地ビール“ケルシュ”味のマスタードも販売されていました!


お店の奥にはレーベンゼンフ社の歴史について展示コーナーがあります

お店の奥にはレーベンゼンフ社の歴史について展示コーナーがあります

デュッセルドルフの旧市街地には、レーベンゼンフ社のショップがあります。マスタードの試食ができるので、どのマスタードを買ってみようか?沢山種類があってわからないというお客さんには嬉しいサービスです。調子に乗って全種類(多分10種類?ほど)テイスティングしたら、さすがに舌が痺れました。個人的には、やっぱりシンプルなものが一番美味しかったです。

商品の販売と同時に小さな展示コーナーもあります。工場の製造過程のVTRを流したり、昔からのパッケージの変遷や、古い木製機材などレーベンゼンフ社の歩んできた歴史を見て取ることができて興味深いです。


お店の外観。デュッセルドルフの旧市街地にあります

お店の外観。デュッセルドルフの旧市街地にあります

Düsseldorfer Senfladen
Bergerstraße 29,40213 Düsseldorf
月 から土:10時~19時オープン
http://www.loewensenf.de


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タグ:マスタード

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