ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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緑が生い茂るガーデニング好きのアナさんの裏庭

緑が生い茂るガーデニング好きのアナさんの裏庭

 15歳の時にイタリアのカンパーニャ州から家族で移民としてブラジルに渡ってきたという70歳近いアナさんという女性がいます。ご主人も同じく9歳ごろにイタリアから家族で移民として渡ってきたイタリア人です。
 アナさんの家には、表通りの家の正面からは全く予想できないような、緑豊かな裏庭があります。そのことを思い出して、アナさんの庭へお邪魔させてもらうことにしました。
 


シチリア産レモンの木の前に立つイタリア人のアナさん

シチリア産レモンの木の前に立つイタリア人のアナさん

 アナさんはガーデニングが趣味ということで、幅5メートル、奥行き15メートルほどの裏庭には草花はもちろん、かなり多くの食べられる植物が栽培されています。少し手間をかけるだけでこんなに緑が生い茂るのかと感心させられる、ちょっとしたジャングルのような雰囲気です。
 パパイヤ、スターフルーツ、バナナ、ジャブチカーバなどの熱帯ブラジルならではのフルーツ、イタリア人らしくオレガノやバジル、ローズマリーなど生のハーブ類、トマトやマンジョッカ(キャッサバ)、シュシュ(ヘチマの一種)といったおかずになる野菜、アロエや胃薬になる薬草など、見ているだけでも楽しくなるアナさんの庭園です。
 植物が生い茂る庭を通り抜けた突き当りには、鶏とたくさんのウサギも飼っています。時々食卓に上るということです。


これから熟れるパパイヤの木

これから熟れるパパイヤの木

 他にも、未完熟のオレンジがなっているように見える木がありました。
 何の木かアナさんに尋ねてみると、実はイタリアのシチリア産レモンだということでした。ブラジルに暮らすイタリア人の友人からもらったという苗を植えて育てたそうです。
 懐かしいイタリアのレモンが食べられるのが楽しみだったそうですが、実はサンパウロの気候にはあまり適していないようで、果実は実っても、あまり美味しく黄色のレモンに熟さないということで少し残念そうでした。
 ブラジルで暮らす日本移民も、ブラジルの自宅の庭でネギやミツバ、茄子やきゅうりなどを栽培する人がいます。上級な方は柚子まで栽培されていますが、どこの国の移民でもブラジルで故郷の味を食べ続けたいという思いがあることを改めて思い知らされた瞬間でした。
 アナさんの庭にはシチリア産レモン以外にも、ブラジルでは見かけないという、熟すと白くなる桑の実を、やはりイタリア人の友人からもらったということで大切に育てていました。


簡素な家の正面はからは想像できない裏庭が広がっていることがあります

簡素な家の正面はからは想像できない裏庭が広がっていることがあります

 サンパウロは少し土をならしてやると、比較的幅広く植物が育つ土地です。本格的なガーデニングができそうですが、繊細な造園を造ろうというには、ややもすれば植物の育ちがよすぎて手に負えず、恵まれた気候条件がヨーロピアンな緻密に設計された庭園のイメージからはかけ離れてしまうこともありそうです。


収穫期を過ぎて2個だけ木に残っていたスターフルーツ

収穫期を過ぎて2個だけ木に残っていたスターフルーツ


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