ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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8月下旬の暖かな日の夕方、家屋に襲来するクッピン

8月下旬の暖かな日の夕方、家屋に襲来するクッピン

 南半球のサンパウロは8月中旬を過ぎると、春の陽気を思わせる温かな日が増えてきます。どちらかといえば三寒四温という表現がピッタリで、初夏を思わせる温かい日が続いたかと思うと、セーターが必要な寒い日が再び訪れるという気候に感じます。寒暖の差が大きく、体調を崩してしまうという話もよく聞かれる話です。

 さらにもう一つ、春の訪れを知らせてくれる風物があります。通称「クッピン」と呼ばれる羽アリです。


壁をはうクッピン

壁をはうクッピン

 クッピンは8月中旬から10月頃の暖かい日に、夕方6時を過ぎて辺りが暗くなり、通りでは街灯が灯り始める頃にどこからともなく現れ始めます。クッピンは明かりをめがけて一直線に飛んできます。
 ちょうど夕食を作ったり食べたりしている時間と重なるため、うっかり電気をつけっぱなし、暖かな日ということもあり窓を開放していると、一匹、二匹とクッピンは家屋の電球の周りに集まり始めます。
 早めに気付いて退治して消灯しなければ、瞬く間に何十匹ものクッピンが電気の周りに襲来してきます。


電球の周りを飛び交うクッピン

電球の周りを飛び交うクッピン

 一見「ガ」のようにも見え、明かりを消してしまえば別の明かりを目がけて飛び去ってくれるかと思いがちなのですが、電球の周辺を飛び回って1分から3分もすれば羽が落ち、床を歩き回り始めます。
 床を歩き出すとどこに消えてしまったか分かりにくくなります。そして最悪の場合、家の木材でできたクローゼットなどに入り込み、板などを食いちぎって、やがて板の中は空洞となり、家具はボロボロになっているということもあります。時には木材の横に大量のフンが落ちていることに気付き、クッピンが木の中で生息していることが発覚します。 


庭先の電気の周りを飛び交うクッピン

庭先の電気の周りを飛び交うクッピン

 クッピンの襲来は春の便りでもあり、間もなくサンパウロ市内ではプールに入ることができるような暖かな日が訪れるという嬉しい知らせでもあります。
 11月頃になり、雨季に入ると温暖な日でもクッピンが襲来することは少なくなります。それまでの間、夕方6時過ぎから8時ごろまではクッピンに気付いたら家屋では明々と電気は灯さないことが上手なクッピンとの付き合い方になります。

 


街頭の周りを飛び交うクッピン

街頭の周りを飛び交うクッピン


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