ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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5センターヴォと10センターヴォの貨幣

5センターヴォと10センターヴォの貨幣

 ブラジルの人付き合いは大らかです。それを反映するかのように、お金の勘定も大らかで大まかな部分があります。 
 ブラジルの通貨はレアル、1レアル以下の小さな金額はセンターヴォです。
 1レアルは現在の為替で約50円、1センターヴォは約0.5円、5センターヴォは約2.5円、10センターヴォは約5円ということになります。
 
 買い物をした場合、5センターヴォなら金額の内に入らないようなところがあります。
 例えば、96センターヴォの商品を購入した場合、1レアル払うと、まず4センターヴォのお釣りは返ってきません。その代わりに、5センターヴォのお釣りは返ってくることがあり、その時はお客さんはちょっと得した気分になります。
 もし、95センターヴォの商品を購入した場合、1レアルを払っても5センターヴォが返ってこないこともあります。そんな時はちょっと損した気分です。
 でも、ちょっと得をしたり損をしたりが日常的に回っているので、プラスマイナスはゼロと言えるかもしれません。
 
 当然、1センターヴォは金額に内に入っておらず、1センターヴォの通貨は流通しているのかしていないのかが分からないくらい、滅多に手にすることはありません。ごく稀にお釣りでもらっても、使い道に困って財布の中にいつも入っていることがあります。

 100レアル(約5000円)くらいの額の買い物をした時には、1レアルくらい足りなくてもOKということも珍しい話ではありません。


あまり手にすることのない1センターヴォの貨幣

あまり手にすることのない1センターヴォの貨幣

 日本で1円でも貸し借りはきちっとしなければいけない、買い物をする時は1円まで細かく計算しなければならないと教わってきた者にとっては、慣れるまでは何となく気が気でない心地がするものです。
 ブラジルの人に「日本では1センターヴォの額まできっちりとお釣りを計算して渡すのだけれど…」と話すと、「それが本当は正しい」という回答がすぐに返って来ることがほとんどです。ところが、実社会では何の変化もなく、1円、10円程度の差額は勘定の内に入らないようなことがまかり通っています。

 確かに1円まできっちりというのは正しいですが、ちょっとの差額にがんじがらめにならず気楽と言えば気楽で、それがブラジル人の大らかさや精神的な余裕にもつながったりする気もします。

 お金に細かすぎないと言う点は食事作法にも通じる部分があり、お米一粒まで食べ残さないのを良しとする日本、残すくらいに満足してもらいたいというようなブラジルでの食事のおもてなし…「『塵も積もれば山となる』ということわざはブラジルにはあるのだろうか」と素朴な疑問がわきつつも、「郷に入れば郷に従え」というのもまた然りのような気がします。


スーパーのレジのお金

スーパーのレジのお金




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