ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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テノンデ・ポランで新しく蒔く種子をお披露目するテーブル(2014年7月4日)

テノンデ・ポランで新しく蒔く種子をお披露目するテーブル(2014年7月4日)

 サンパウロ市には、先住民グアラニ族の暮らす三大集落があります。それぞれ人口は1000人強です。現在は新たに2つの集落が出現しています。

 サンパウロ市のグアラニ族の同胞は、サンパウロ州の沿岸地帯で暮らして来ました。今もグアラニ族の誇りを持ち、集落の中の公用語はトゥピー・ブア語です。

 サンパウロ州にヨーロッパ人が到来した時から、最も身近なブラジル先住民がグアラニ族でしたが、時を経て、ヨーロッパ人の影響などを受けて失われてきた文化も少なくありません。

 かつて食べられてきた豊富な種類の食糧もその一つです。

 7月4日にはサンパウロ市のグアラニ族の集落の一つテノンデ・ポランで、今、同集落で2、3種類しか栽培されなくなったトウモロコシをはじめ、もう一度これから新しく栽培していくためのトウモロコシの種子やその他の植物の種子をお披露目する集会がありました。

 種子は、サンパウロ州の隣州であるパラナ州の先住民の集落から贈られたという事です。

 お披露目のあった集落テノンデ・ポランは土地が狭く土壌も悪いため、今後は約2キロ離れたカリペテで種子を増やすことから始め、栽培地を広げていくという事です。


グアラニ族の集落でのバーベキュー

グアラニ族の集落でのバーベキュー

 インディオの研究者によると、1900年代前半から、ブラジル政府は「先住民をブラジルという一つの国に調和させて統合し、同化させる」ということを目指していたという事です。そのような中、1988年にはインディオ憲章が発行され、先住民独自の文化(社会組織、習慣、言語、信仰や伝統文化など)を再認識していこうという動きが表れました。

 サンパウロ市内のグアラニ族の集落が存在感を感じさせるようになったのもその流れの延長線上にあります。


ペテンガと呼ばれるタバコを吸うグアラニ族の女性

ペテンガと呼ばれるタバコを吸うグアラニ族の女性

 種子のお披露目集会では、集落の子どもたちの歌や踊りが発表され、食事がふるまわれました。
 
 食事は戸外で、土に穴を掘って木炭を敷き詰めるというワイルドな調理場です。トウモロコシの粉を練ってフライパンで焼いたブジャペ、大きな肉の塊や魚を焼いたバーベキュー、灰と木炭の中で焼いたサツマイモ、油で揚げたチパ、カッピン・シデイラ(レモングラス)の葉を煮出したお茶など、今日のブラジル人の食卓にも確かに通ずる食文化が継承されています。


トウモロコシの粉を練ってフライパンで焼くグアラニ族の女性

トウモロコシの粉を練ってフライパンで焼くグアラニ族の女性


サッカーをするテノンデ・ポランのグアラニ族の子どもたち

サッカーをするテノンデ・ポランのグアラニ族の子どもたち


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