ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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展示会のオープンから一ヶ月後、作品の取り付けが行われながら展示会が開催されるサンパウロ美術館

展示会のオープンから一ヶ月後、作品の取り付けが行われながら展示会が開催されるサンパウロ美術館

 「完成形でスタートする」が当たり前でないのは、ブラジルの一面です。

 自宅の建設や内装を始め、レストラン、職場の建物に至るまで、「完全ではない状態で何かを始める」のはごく自然な風景です。

 例えば、自宅を購入して、まだキッチンやシャワールームの内装が未完成な家屋で生活を始めるような事も珍しくありません。新しい家で生活を始めながら残りの部分は追って完成させていくという感じです。

 「見える部分は基本的に完成形を呈した状態でスタートする」という日本の一般的な感覚からすると、ブラジルのスタイルは見切り発車的でカルチャーショックを感じます。


展示会を開催中に壁に飾られていく作品

展示会を開催中に壁に飾られていく作品

 2014年12月20日から、サンパウロ市を代表するサンパウロ美術館(通称MASP)では新しい展示会MASP EM PROCESSOが始まっています。ブラジル国内外の著名画家の個性的な作品が広いフロアの壁にランダムに飾られています。

 公式オープンから約一ヶ月後の2015年1月20日に訪ねると、ゆっくりとまだ壁に絵をかける作業が続けられていました。

 ブラジルらしさを感じる絵を気軽に鑑賞する横で、会場のセッティング工事をマイペースに続けながら展示会をスタートしている風景がさらにブラジルらしさを感じさせます。それはそれで興味深い光景です。

 主催者ものんびりなら、鑑賞者も中途スタートの展示会に特に驚く事もありません。火曜日の午後は当美術館の入館無料日とあって、美術鑑賞を楽しむ人々の様子が、インフレが止まらないブラジルにあって余裕を感じさせます。

【MASPの展示会MASP EM PROCESSOの案内】
http://masp.art.br/masp2010/exposicoes_integra.php?id=177&periodo_menu


作品の取り付けが行われる展示会場で絵画鑑賞する人々

作品の取り付けが行われる展示会場で絵画鑑賞する人々


サンパウロ美術館(MASP)前

サンパウロ美術館(MASP)前



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