ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

前の月へ

2024.4

次の月へ
S M T W T F S
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

ムケッカ

ムケッカ

 「大鍋でグツグツと煮込んだ料理を皆で取り分て食べる」というのは、様々なブラジル料理によく見られるスタイルです。

 「ブラジルの鍋」と言えば挙げればきりがないような気がしてきますが、日本的な感覚でも鍋らしい気がしてくるのが、魚介類を使ったムケッカです。ムケッカはやはり“土鍋”で煮込まれるのがポイントです。


ムケッカやカルデイラーダで使用される土鍋

ムケッカやカルデイラーダで使用される土鍋

 ムケッカは一般的にパネーラ・デ・バーホと呼ばれる黒い陶土の鍋で煮込まれます。パネーラ・デ・バーホは伝統的にブラジル女性の職人が手作業で制作してきたものです。

 この鍋を使って料理するムケッカは、発祥地がブラジルのバイーア州とエスピリトサント州であることがよく知られています。2州のムケッカの違いは、味付けです。

 似た料理でサンパウロ州の沿岸部では「カルデイラーダ」と呼ばれる料理もあります。阿蘇山のカルデラから派生した言葉で、大鍋に液体がいっぱい満たされたという意味で、魚介類を煮込んだ料理の名前にもなっています。


ムケッカで手軽に使われるカッソンの輪切り

ムケッカで手軽に使われるカッソンの輪切り

 バイーア州ではパーム油(デンデ油)を使用し、ハーブやスパイス、そしてココナッツミルクを加えて煮込んでいきます。エスピリトサント州はオリーブオイルにハーブやスパイス、そしてレモンを加え、さながら地中海風とでも言えそうです。
 
 どちらのムケッカに共通するのは、ハーブに生のコリアンダーやパセリの葉を使用するため、コリアンダーの香りがふわっと空間にも口中にも広がることです。

 魚は肉厚な白身がよく使われ、スズキやハタ、カッソンと言われるサメの一種などもおなじみです。


コリアンダー(右)やパセリ(左)

コリアンダー(右)やパセリ(左)

 テーブルに上ったムケッカは、各自のお皿に取りわけます。お米とピロン(魚介のスープにキャッサバの粉を加えた粥状の食べ物)を添えてスープと混ぜながら食べると、間違いなく忘れられない味と香りのブラジルのご馳走となります。


ムケッカを盛り付けたお皿

ムケッカを盛り付けたお皿


レポーター「大浦 智子」の最近の記事

「ブラジル」の他の記事

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives