台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

前の月へ

2024.4

次の月へ
S M T W T F S
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

台北市立内湖高級中學(以下、略称の内湖高中)

台北市立内湖高級中學(以下、略称の内湖高中)

 「巣立つ前の大仕事シリーズ」を毎年ひいきにしてくださっている皆様、お待たせしました。
 今年も遅れましたが、用意しております。

 例年、台北市内の高校の卒業式の準備や式の様子を紹介してきました。その過程で、いろいろ話を聞いていると、台湾のメディアが取材に訪れるほどの恒例行事があることが分かりました。

 そこで、今年は通常のものに加え、卒業式前の行事についても紹介します。


用意された水風船がたっぷり入った簡易プール

用意された水風船がたっぷり入った簡易プール

 そこで、今回私が訪れたのは内湖高中。
 1988年に創立された男女共学校なので、歴史は浅いですが、創立以来、スポーツと学業の方面で着実に成果を上げている高校です。

 内湖高中では、第1期の卒業生から行っている恒例行事が「水風船大戦」。
 「水風船をみんなでぶつけ合う」、ただそれだけのことですが、過去には当時台北市長だった陳水扁元総統や、芸能人が訪れるなど、看過できない行事になっています。

 昨年は、水不足と言われた社会情勢を考慮して中止になりましたが、今年は無事開催されたので、私も訪問することにしました。


初代校長の林煇(リン・フイ)氏

初代校長の林煇(リン・フイ)氏

 ちなみに、この「水風船大戦」を始めたのは、上の写真の初代校長の林煇氏。過去には、台北市立中山女子高級中學でも校長を務めたことがある方です。

 大戦前のあいさつで、水風船大戦を始めた経緯について話していました。
 それによると、当時の大学入試は国公立・私立も一律で7月上旬の1回のみ行われていたのですが、そのプレッシャーを少しでも緩和し、日頃の勉強のうさ晴らしをしながら暑気払いもして、頭も体もスッキリした状態で入試に臨んでもらおうと考え、始めた、ということでした。
 その水風船大戦の効果はあったようで、「台湾の難関大學の合格者数が、全台湾の高校で上位30位以内に入った」と力強く話していました。


まずは校内巡礼から

まずは校内巡礼から

 水風船大戦は、全卒業生が運動場に集合後、校内の巡礼から始まります。

 在校生が両脇を固め、校舎からも見つめるところを歩き、学び舎を胸に刻みます。


巡礼後の開会式

巡礼後の開会式

 巡礼から戻ってから開会式を行いました。
 来賓のあいさつが終わってからは、上の写真のようにくす玉割りならぬ風船割りが行われましたが、紙吹雪がひらひらと幻想的に舞うのではなく、まるで上からバケツで水をひっかぶったように、ドサーッという感じで、一気に降ってきました。そして、片付けに使ったちりとりに「これでもか」というくらい、落ちた紙吹雪がたまっていました。

 この光景は、これから待ち受ける水風船大戦の展開を予感させますが、そこは次回にて。


レポーター「小川 聖市」の最近の記事

「台湾」の他の記事

  • 849 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives