ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

前の月へ

2024.4

次の月へ
S M T W T F S
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

大豆畑が広がるパラナ州北部の風景

大豆畑が広がるパラナ州北部の風景

 ブラジルは世界有数の大豆生産国の一つです。州によっては車で数時間走り続けても辺り一面青々とした大豆畑が広がるような一帯もあります。そんな州の一つがサンパウロ州の隣州パラナ州です。

 その一方、拡大を続ける大豆畑に押されて、パラナ州では作付面積が減少しつつあるとの報告もあるのが落花生(ピーナッツ)畑です。

 落花生は南米原産であり、パラナ州はサンパウロ州やミナスジェライス州に続くピーナッツの産地で、肥沃な土地で生産されるためか、大粒のおいしいピーナッツが魅力的です。


ブラジルで作るピーナッツ豆腐の原料のコーンスターチとピーナッツ。

ブラジルで作るピーナッツ豆腐の原料のコーンスターチとピーナッツ。

 古くは落花生、そして今は大豆生産地のパラナ州北部に、日本人移民は半世紀以上前から入植し、コーヒーや綿栽培などを行うようになりました。

 日本人移民は1908年からサンパウロ州を中心にコーヒー栽培などに従事していましたが、同じ土地で栽培を続けると地力が落ちてくるため、移動して肥沃なパラナ州北部に移動してくる人もいました。今も大豆畑の合間にコーヒー園を見かけることができます。

 今や大豆大国だけに、日本食に欠かせない大豆食品は一通り手に入るブラジル。大豆の種類は、日本の大豆食品向けではないとは言え、100年前の日本人は移民した当初から大豆を自宅近くの畑で栽培し、味噌や豆腐を家庭で作って来たそうす。現在は日本と同じく日本食品店で購入する人が多いものの、田舎では自家製を作り続けている家庭もあります。

 日本人にはありがたい大豆食品。豆腐もそんな一つですが、パラナ州の大豆畑を横目に毎日大豆の豆腐も飽きてしまう・・・と、そんな時に、南米原産であるピーナッツこそ豆腐の主役に!と、臨機応変にピーナッツ豆腐を作ってしまう日系農家の主婦もいます。


鍋で煮たピーナッツ豆腐の原料を型に流し入れるところ。

鍋で煮たピーナッツ豆腐の原料を型に流し入れるところ。

 ブラジルでもピーナッツ豆腐のレシピは基本的に同じです。生のピーナッツの皮をむき、水を加えてミキサーにかけ、ふきんでこした汁とコーンスターチなどデンプンと混ぜながら火にかけて沸騰させ、しばらく混ぜ続けたら型に流して完成です。皮をむくのにやや手間がかかります。

 完成したピーナツ豆腐は甘味噌やお醤油をかけて。日本食の知恵は、ブラジル産の食材に何でも応用可能であることを痛感するブラジルでのピーナッツ豆腐作りです。


こすったピーナッツの皮を水に浮かせながら分離しているところ。

こすったピーナッツの皮を水に浮かせながら分離しているところ。


完成したピーナッツ豆腐

完成したピーナッツ豆腐


レポーター「大浦 智子」の最近の記事

「ブラジル」の他の記事

タグ:

  • 615 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives