ブラジル帯畜大同窓会40周年を祝い奥田学長らも来伯
2018.09.13 up
ブラジル帯畜大同窓会創立40周年の集い
ブラジル各地に暮らす帯広畜産大学OBが、ほぼ毎年、旧交を温める定期集会。今年はブラジル帯畜大同窓会(新井重孝会長)創立40周年の節目に合わせ、日本から同大の奥田潔学長と木田克弥畜産フィールド科学センター長、パラグアイに派遣されている小川公二特任教授を迎え、9日にサンパウロ市内のホテルで例年より華やかな宴席が設けられました。
集まったOBからまず学長らに口をついて出た質問は、5日に発生した地震のこと。木田氏は「大学で人的被害や建物の損壊はなかったが、一番問題だったのは36時間の停電。大学で飼っている約200頭の乳牛のうち80頭が通常は電動で搾乳しているが、できなくなって学生たちを動員して手搾りで乗り切った」と話しました。
思わず「ブラジルでは今年はトラックのストで1週間くらい動物の飼料が届かず、命を落とした家畜も多くいました。廃棄となった牛乳も道路にまかれて…」と、日本に比べて自然災害は少ないものの、人災は避けて通れないというブラジルのエピソードが。
旧交を温める(左から)井田さん、永田さん、高橋さん、新井さん
ブラジル訪問は初めてという奥田学長。「現在は毎年約250人、大学創立当初は約100人前後の卒業生しかいなかった中で、ブラジルにこれだけの帯畜大OBがいるというのはすごい割合」と述べ、中でも1953(昭和28)年卒業の第1期生、永田直春さん(88)と井田善郎さん(88)には驚きを隠せませんでした。
永田さんは海外に男のロマンを追い求め、同期の井田さんがブラジルに行くということで共にブラジルに渡って60年以上。その井田さんはブラジル各地を転々とした後、サンパウロ市からは2000キロ離れたマトグロッソ州で大豆生産を行ってきました。「卒業したての頃は仕事がなく、何とかなると思ってブラジルに。全国を転々とした後に大豆栽培を始めましたが、長生きして厚かましくなったので今年から息子に代替わりすることにしました」と今後も余生を元気に過ごそうとコメント。
サンパウロ市近郊に暮らす板垣隆さん(58)と大浦格さん(59)も同期で、渡航は別ですが、結果的にブラジルでも近所で生活し、趣味のバトミントンも一緒に行う間柄です。
左より小川特任教授、奥田学長、木田教授
「もともと帯畜大に入学する時点でチャレンジャーが多い。若者は内向きと言われる日本の中でも帯畜生は、今も世界に目を向ける学生がいます」と奥田学長。世代を超えて共有される帯畜大スピリットが、日本の23倍の国土のブラジルで、サンパウロ市から北は3000キロ、西は2000キロも離れた全国各地に暮らすOBもいながら、はるばると足を運びたくなる同窓会が続いてきました。
新井会長(1962年=昭和37年卒)は、「この頃は同窓会に新入生がおらず、天へ入っていくばかり。一番若いのが服部さん(57)で若くても立派なおじさん。南米の大地をのぞいてみたいという若い人がいたら肩やお尻をたたいてあげてください」と呼び掛けました。
帯畜大の現況を報告する奥田学長
参加者の自己紹介の後には奥田学長から大学の現況が説明され、食事中には、帯畜大の沿革や大学施設の写真映像が流されました。OBが在学中時代の写真が映ると、思わず旧友の名前を呼んで懐かしむ姿も。
今回参加したのは、高橋哲さん、新井重孝さん、青山明政さん、大浦格さん、永田直春さん、井田善郎さん、飯崎貞雄さん、板垣隆さん、服部敬也さん、山崎孝志さん(順不同)らと、その家族合わせて約30人でした。
学長らのサンパウロ滞在は2日間で、その後、帯畜大がJICAと連携して進めるパラグアイでの小規模畜農家強化プロジェクトなどの視察に向かいました。同プロジェクトは地元のビジネスモデルとして成功して活動の幅を広げ、現在も日本から帯畜生の短期学生ボランティアが活躍しています。
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