ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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難民Wカップ・サンパウロ大会でコーディネーターを務めたアブドゥルバセットさんとカメルーンのチーム

難民Wカップ・サンパウロ大会でコーディネーターを務めたアブドゥルバセットさんとカメルーンのチーム

 2014年よりNGOア・アフリカ・ド・コラソン(A África do Coração)によってブラジルで始まったサッカー難民Wカップ。6月にはポルトアレグレ市、8月にはリオデジャネイロ市、サンパウロ市では8月末と9月始めの週末に開催され、11月18日、20日にブラジル大会がサンパウロ市で実施されます。

 行政、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、カトリックのカリタス会などの後援を受けて年々成長してきたイベントで、その目的については、コーディネーターでシリア難民のアブドゥルバセット・ジャロールさん(28)は次のように説明します。

 「難民カップの主な目的は、移民や難民に対する偏見をなくし、ブラジル人と交流する機会をつくることです。ブラジルは難民に“扉は開かれていますが、入ったら窓が閉まっている”ことが多いです。スポーツを通じて難民の声を届け、ブラジル社会にスムーズに溶け込んで生きられるようになることを願っています」


難民ワールドカップの試合会場に掲げられた「ようこそ!!難民の皆さん」「外国人嫌い反対!」などを訴えるメッセージ

難民ワールドカップの試合会場に掲げられた「ようこそ!!難民の皆さん」「外国人嫌い反対!」などを訴えるメッセージ

 難民Wカップの試合会場には、「ようこそ!!難民の皆さん」「外国人嫌い反対!」などを訴えるメッセージが掲げられているのが印象的です。難民たちは、祖国で守られなかった命の安全をようやく確保してやって来たと思うのもつかの間、ブラジルでは表向きは差別がないとは言われますが、さまざまな偏見に遭ったり、まともな仕事を得るのが難しい現実に直面している人も少なくありません。


2018年難民Wカップのためのサッカーボール

2018年難民Wカップのためのサッカーボール

 格差社会のブラジルでは、ブラジル人でも同じような境遇の人もいるかもしれませんが、異国で暮らす外国人の場合は、より一層、社会で遭遇するネガティブな事柄を敏感に察知しやすいものです。


優勝したニジェールのチームにメダルが贈られた

優勝したニジェールのチームにメダルが贈られた

 「サッカーは人種、政治、宗教を超えた万国共通の言葉」の信条に集まるサッカー好きの難民、移民たち。異国での日々の暮らしの大変さの中にあって、サッカーから与えられるエネルギーがあるのもまた間違いありません。


決勝戦の日に参加した選手たちとNGOアフリカ・ド・コラソンの関係者

決勝戦の日に参加した選手たちとNGOアフリカ・ド・コラソンの関係者

 今後、年内に開催されるブラジル大会には、地方大会で優勝したセネガル(ポルトアレグレ)、アンゴラ(リオ)、ニジェール(サンパウロ)、国を問わない難民有志で構成されたチーム「マライカ」の全4チームが出場します。アフリカ対決といった印象ですが、国情によってFIFAワールドカップに出られない国々にも筋骨たくましい選手たちが大勢います。ブラジルから祖国が早く平和を享受できるよう祈りを込めた難民ワールドカップです。


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