ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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papel machêで作ったブラジルを代表する画家ジ・カバルカンチの名画『サンバ』の女性

papel machêで作ったブラジルを代表する画家ジ・カバルカンチの名画『サンバ』の女性

 4月7日から6月3日まで、サンパウロ市のメトロ・チラデンテス駅構内に併設されている小ミュージアムで、粘土状にした紙(papel machê)とワイヤーで作った名画の女性や現代の著名人のレプリカを制作した『紙の人々』という展示会が開催されています。入場は無料。

 小規模とはいえ、年に4、5回、このミュージアムでは様々なアート展、主に宗教にも関連した美しさとユニークさを備えた作品展が実施され、人の出入りが少ない事もありますが、今回の作品展は客足は絶えない人の目を引く展示会となっています。


papel machêで作ったフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」

papel machêで作ったフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」

 目玉は、ブラジルとヨーロッパで描かれた名画の女性6人を紙粘土で人間の大きさに近いサイズで作り、背景にもその名画の風景を置くというものです。

 ブラジルからは、ジ・カヴァルカンチの『サンバ』やタルシーラ・ド・アマラールの自画像など、ヨーロッパからレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』に描かれた美女を紙粘土とワイヤーで作り、衣装は絵に合わせた布地で製作しています。


papel machêで作ったレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』

papel machêで作ったレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』

 ブラジル文化にはイタリアの文化から導入されたともいわれる紙を粘土(papel machê)にしてワイヤーを迂回ながら人間の等身大の人形を作り、カーニバルなどで使用するという地域もあります。

 今回の作品の作家はミナスジェライス州出身のマダレーナ・マルケスさんで、あまり既成品のおもちゃが買えなかった幼少期から、紙と父親が仕事で持って帰ってくるワイヤーを使って何かを作る事を始めたということです。それが興じて、この様な人形作家になり、16世紀から17世紀の製法で人形作りを研究しているということです。

 3Dプリンターが登場する時代にあっても、手仕事で世界の名画を再現するという所に温かみと人々の心を和ませる味わいと瞬間が提供できるのかもしれません。


papel machêでの人形の制作過程の展示の一部

papel machêでの人形の制作過程の展示の一部


ヨハネ・パウロ元ローマ教皇、マザー・テレサ、ガンジーなどの人形

ヨハネ・パウロ元ローマ教皇、マザー・テレサ、ガンジーなどの人形


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