オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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 11月に入ってから、コロナ感染者数が激増中のオランダ。感染者数の昨年のピーク時をはるかに超え、病院への感染者収容数は日々2000人を超えています。そこで11月19日、オランダ政府はロックダウンを発令しました。ロックダウンといえども、昨年は義務であった夜間外出禁止令や飲食店や学校の閉鎖といった厳しい項目はまだ盛り込まれていません。


パトカーに向かって投石したり、花火を放つ暴徒。

パトカーに向かって投石したり、花火を放つ暴徒。

 ところが、この規制に反発した人たちが、各都市でほぼ毎日、暴動を起こしています。ロッテルダム市内で起きた暴動では、警察官らが発砲しなければならないほどの騒ぎを巻き起こしました。暴動を阻止しようとする警察に対し、投石はもちろんのこと持参した棒などで殴りかかったり、花火を(爆竹)を投げつけたり、大通りの店のショウウィンドウを壊したり、もはや何が目的でここまで過激になるのか、混沌とした様子を呈していました。


怒りの矛先はどこに向けられているのか?

怒りの矛先はどこに向けられているのか?

 これらの暴動を起こす人たちの層は様々ですが、言い分はひとつ。「ワクチン接種率が全国民85パーセントにもかかわらず、感染者数が増えたのはなぜか?納得できない。政府はきちんと説明しろ!」ということなのです。つまり、多くの人は規制を守り、接種したあげく、後遺症で苦しい思いをしてまで必死になって予防してきたのに「まぜまた?」という憤りを感じているのです。


このような騒ぎがほぼ毎日、繰り広げられるようになってしまった。

このような騒ぎがほぼ毎日、繰り広げられるようになってしまった。

 なぜ、ここにきてコロナ感染者数が激増しているのか、正確な理由が公表されてもいないのに、「感染者が増えましたので、またロックダウンに入ります」と言われても、戸惑うばかりです。接種しても完全な予防にはならないことは、現在なら誰でも知っています。しかし、去年あれだけ長期にわたってロックダウンしたにもかかわらず、結局元の木阿弥になったじゃないか!という怒りが人びとの間に渦巻いているのです。


 日本の感染予防とは、文化も違いますので簡単に比較はできません。しかし、コロナに感染する、という点ではどこの国でも同じだと思います。暴動を起こすより前に、手を洗う習慣をつけ、人と人との間に距離を置き、公の場で大声で騒ぐことを慎み、土足で家に上がらず、外出時は屋外であってもマスクを必ずする、という、日本でならば当たり前の予防法を徹底すればオランダでも感染者数が減っていくのではないか、と国民の多くが思うようになってきています。


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