ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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新聞も連日、東京五輪のニュースを大々的に報道(『フォーリャ・デ・サンパウロ』紙)

新聞も連日、東京五輪のニュースを大々的に報道(『フォーリャ・デ・サンパウロ』紙)

 哀歓ドラマが渦巻いた「2020年東京オリンピック」が終了した。ブラジルでは自国選手への応援で盛り上がった。期間中、サンパウロ州をはじめ南部各州は27年ぶりの寒波襲来。気温5度前後まで冷え込み、重ね着でのテレビ観戦だった。


開催期間中、サンパウロ市民は5〜10度の気温に震え上がった

開催期間中、サンパウロ市民は5〜10度の気温に震え上がった

 ブラジル人のスポーツへの関心は年々高まるばかりだ。特に人気があるのはサッカー、バレーボール、体操など。サッカーはリオに続き東京大会で2連覇を達成し、実力を見せつけた。近年、スケードボードやサーフィンにも広がっている。

 男子サーフィンで金メダル獲得のイータロ・フェレイラ(27)選手は東北地域州の大西洋沿岸育ち。「初めは父から発泡スチロール箱のふたをもらって練習した。帰ったら一番にお礼を言いたい」と、受賞後に語っている。ブラジルが獲得したメダル総数は金7、銀6、銅8で世界12位。


 ブラジル選手にとって日本の印象は良かったようだ。特派記者のテレビ生中継インタビューに「選手村内の段ボールベッドが気に入った」「スタッフのもてなしは最高」「コンビニがすごい」「街がきれい」など。一方、「観客がいない会場での戦いには熱気がなく、拍子抜けした」と話す選手もいた。コロナ禍だから仕方がないか。


 日本とは逆に、南半球では7~8月に寒風が南方から吹く。常夏の国に家庭用暖房器具は整っておらず、寒さが身にこたえる。そんな中で熱いコーヒーを飲み、手に息を吹きかけながらの声援だった。当地のニュースによると、路上生活者の凍死はサンパウロ市内だけでも10人を超えている。果物や野菜など農作物への被害は甚大で、コーヒーの価格も上昇しそうだ。


 1年遅れての開催だったが無事終了し、関係者は安堵(あんど)で胸をなでおろしたことだろう。地球の反対側から「皆さん、ご苦労さま、ありがとう」のねぎらいの言葉を送りたい。


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