中世市 バスクの新しい祭りの形
2009.06.08 up
旧市街の建物を使って街全体が「中世風」に飾り付けられています
夏が近づくとこちらもお祭りの季節です。あちこちでちょっと変わったお祭り「中世市」(mercado medieval)が開かれます。先月はバルマセダ(Balmaseda)の中世市に行ってきました。今月はビルバオ中心部から地下鉄ですぐ行けるゲッチョ(Getxo)でも同じような内容のお祭りがあります。
内容は、伝統的な手作りの工芸品や、食品、お茶やスパイス等を中世風の出店で売っていたり、ちょっとした劇や大道芸などもあります。ラクダやロバ等に乗って中世風の服を着た人達のパレード等もあります。
スペインでは「中世」という言葉はアラブ文化のイメージと重なる。お昼ご飯はアラビア料理クスクスとピンチョモルノ
実はこの「中世祭」、バスクでは90年代後半にあちこちで行われるようになった「新しいお祭り」なんだそうです。こちらで生まれ育った夫も、子供の頃、こんな祭りはなかった、と言っています。
バスク地方は、ローマ人さえも山がちな地形を嫌ってパスしてやって来ず、スペイン南部を牛耳っていたアラビア人たちさえもここまでは攻めてこなかった、北の端。そもそも騎士や城のような中世文化はあまり存在しないのです。
それゆえ、バスクではこんなお祭りは少し珍しいのか、歴史がないわりにはいつも多くの人で賑わいます。もともとカーニバルをはじめ「仮装好き」な国民性なので、出店の人がみんな中世風に仮装してなりきるこのお祭りの雰囲気はとても楽しいのだと思います。
赤ちゃんもママも中世風に仮装
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タグ:バスク,祭り,中世市
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