個人収集品の殿堂 イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館
2010.02.12 up
季節ごとに植物がかわります。
Isabella Stewart Gardner Museum(イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館)は、ボストンで人気のある美術館のひとつです。
ガードナー夫妻はアメリカの富豪でしたが、美術品の収集家として有名になった矢先、夫のガードナー氏が莫大な資産を残して他界。その遺志を受け継いで、当時58歳だったガードナー夫人が現在の場所に美術館を建築し、夫人自身もその4階に移り住んだのだそうです。1903年に美術館がオープンしたということは、すでに107年もの月日が流れていることになります。
中庭は、季節ごとに変わる花にあふれ、とてもきれいです。中庭を囲むように、1階から3階までが美術館のコーナーになっています。
イザベラ夫人の肖像画。ウエストが細いですね
古代のものから、近代のものまで、幅広いコレクションが、部屋のあちこちにさりげなく配置されています。先日、私が訪れた際には、何気なくのぞいたショーケースに「マリーアントワネット」という署名の入った手紙を発見しました。
ガードナー夫人は、ボストン美術館に勤務していた岡倉天心氏との交流もあったらしく、日本の襖絵や屏風なども展示してあります。
夫人がこの美術館の4階の自室で84歳の人生に幕を閉じたのが1924年。彼女の遺言通り、生前に配置されたものをそのまま厳格に維持しているのだとか。確かに数年前に訪れたときとあまり変化は見られなかったような気がします。美術品にあまり解説がついていないというところもユニークですし、盗難の被害にあった作品たちはそのまま額だけが飾られています。
私はなんといっても、この中庭の雰囲気が好きです。(中に足を踏み入れられないのが残念!)水が流れる音と、美しい花々に癒されます。また、この美術館を訪れるたびに一瞬ヨーロッパに旅行に来たような錯覚に陥るのです。何度でも足を運びたいミュージアムです。
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