黒板に向かわなくても、きちんと学べる夏休み中の授業風景
「あのね、今年は僕、夏休みを取らないことにしたんだ」
「あら、アタシもよ。同じね!」
これ、オフィス内での会話ではありません。オランダの小学生たちの間で交わされる、ごく普通のおしゃべりなのです。
えっ?小学生なのに、夏休みを取らない?そもそも、夏休みは必然的にやって来るのであって、取る・取らないを子供たちが選択するとは、一体、どういうことなのでしょうか?
Opvang(オップファング・託児所)も楽しいけれど…
オランダは、女性の社会進出度が非常に高い国。老若全女性人口のほぼ80%が、何らかの職に就いていて、毎日働いています。子供たちが夏休みだからといって、母親も長い休暇が取れるとは限りません。つとめて休暇を取っても、2週間が関の山。6週間続く夏休みのほとんどを、子供たちはOpvang(オップファング・小学生用の託児所)で過ごすことになるのですが、それにはかなりの費用がかかります。
夏休み中も、図画工作ができる
そこで、オランダの文部省と各市の教育機構が試行錯誤した結果、働く母親と子供たちのために、夏休みを返上してレッスンが受けられるシステムを、各小学校に導入することになりました。つまり、子供たちは希望すれば、夏休みを返上し、いつもと同じように学校へ自由に毎日通えるようになったのです。結果は上々!家でだらだらと過ごすことなく、気心の知れたクラスメートたちと何かを学ぶことができ、父兄も子供たちも大喜び!
夏の運動会。準備体操用に使われる音楽もロック系!
この「夏休み返上」制度ですが、子供たちが楽しめるようなカリキュラムやイベントが組まれており、ただ机に向かっているだけの授業は敬遠されるとか。人気があるのは、運動会、美術館めぐり、遠足などだそうです。
自由にのびのび!寝転がったまま授業を受けてもOK
なにごとも自由でのびのび!というのが、オランダの教育の原点にあります。自由に、そしてフレキシブルに学校制度を変革した結果、生まれたこの「夏休みのない」システム。「毎日が、とっても楽しいよ!」と、我が家の子供たちも、学校へ猛ダッシュで駆けていきました。
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2 - Comments
大田朋子より:
2010 年 09 月 03 日 09:27:44
女性の社会進出がこういう形で「サポート」されているのは興味深いですね?。ところ変われば、ですね。
オランダの子どもたちの幸福度が高いという話を聞いたことがあり、オランダの教育制度や家庭環境、社会に興味があります。
おもしろいお話ありがとうございました!
カオル フリードリヒスより:
2010 年 09 月 24 日 17:35:41
大田様
コメントをどうも有り難うございました。
(書き込みが遅くなってゴメンナサイ)
>女性の社会進出がこういう形で「サポート」されているのは興味深いですね?。ところ変われば、ですね。
おっしゃるとおりです。オランダは女性の社会進出が1970年代頃から
目覚しく、現在では専業主婦のほうが珍しがられるほどです。
>オランダの子どもたちの幸福度が高いという話を聞いたことがあり、オランダの教育制度や家庭環境、社会に興味があります。
今後もオランダの教育事情について記事を書いていきたいと思いますので
お読み頂ければ幸いです。
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