スウェーデンでは無名の「忌み数」
2012.04.13 up
日本で忌み数とされているのは「4」と「9」ですが、諸外国ではもちろん異なります。夫が来日時、病室や一部のホテルの客室に4と9がつく号室がないことと理由を説明いたしましたが、北欧では「忌み数」という観念がないので、不思議そうに感じていた様子でした
忌み数、つまり不吉とされる数のことですが、日本の皆様は「4」と「9」を思い浮かべる方が多いと思います。
欧米では「4」と「9」は忌み数ではありませんが、「13」が忌み数であることは世界的に有名な話です。
そのため、欧米のホテルでは13階に客室を作らず事務所などにし客室の番号も13を飛ばしている、エレベーターにも13階のボタンが存在しない、空港のゲートにも13を飛ばし12と14の間を12Aとしているなど、至る場所で「13」を回避する風潮が見られます。
その理由としては、不調和な数という説もありますが、キリスト教に関連するという通説が強く、特に13日金曜日が不吉というのはイエスの処刑された日が13日の金曜日とする俗説に由来するとされています。
しかしスウェーデンでは4や9はもちろんのこと、13がアンラッキーという観念もなく、「忌み数って何?」というような状態です。病院やホテルをみても、4号室や9号室はもちろんのこと13号室もありますし、13階のボタンがないエレベーターなど見たことがありません。
スウェーデンだけでなく、アイスランドや他の北欧諸国でも同様のようで、13号室のないホテルなどは皆無です。強いて言うと、13日金曜日にまつわる迷信が薄々と知られており、この日になると注意しようと思う人が若干いる程度、日本と同じような状況と思います。
4は「死」につながる忌み数というのは、日本だけでなく漢字文化圏共通だそうですが、9は「苦」と読むため忌み数というのは日本だけで、例えば北京語で9は「久」につながり逆に縁起が良いとされているそうです。
ちなみにイタリアでは「17」を忌み数とする面白い話があります。
<17 をローマ数字で書くと XVII となり、これを並び替えると VIXI となる。ラテン語で vīxī は、vīvō 「私は生きている」の直説法完了にあたり、「私は生きることを終えた(私は死んでいる)」という意味になるからである。>(WIKIPEDIAより引用)
随分奥深い理屈を重ねて作られたようですね。
そのためイタリアのホテルには13階や13号室と同様に17階や17号室も飛ばされる、航空機の座席にも17列目が存在しない、イタリア向けの車には車種番号に17を回避する、などということもあるそうです。
スウェーデンには忌み数の言い伝えがないのは、日常生活で避ける数字を考える必要がないので、特定の数字の恐怖症が起こりにくい、贈り物の数も縁起を考えなくてもよいなど、メリットがあるのは確かです。
しかし「スウェーデンに来た観光客がホテルの13号室に案内され不快な思いをする」などといった事態を防ぐため、国際交流のある場所では諸外国の忌み数も知識としてあると便利と思います。
レポーター「山本 グィスラソン 由佳」の最近の記事
「スウェーデン」の他の記事
- 2023年8月(2)
- 2023年5月(1)
- 2022年6月(2)
- 2022年3月(1)
- 2021年9月(1)
- 2021年6月(1)
- 2021年2月(1)
- 2021年1月(1)
- 2020年12月(1)
- 2020年11月(1)
- 2020年9月(1)
- 2020年7月(2)
- 2020年6月(3)
- 2020年5月(1)
- 2020年3月(2)
- 2020年2月(1)
- 2020年1月(1)
- 2019年12月(1)
- 2019年11月(1)
- 2019年10月(1)
- 2019年8月(1)
- 2019年7月(1)
- 2019年5月(1)
- 2019年3月(1)
- 2018年12月(2)
- 2018年11月(1)
- 2018年9月(2)
- 2018年8月(1)
- 2018年7月(1)
- 2018年6月(1)
- 2018年4月(1)
- 2018年3月(1)
- 2017年12月(1)
- 2017年11月(2)
- 2017年10月(1)
- 2017年9月(2)
- 2017年8月(1)
- 2017年7月(1)
- 2017年6月(2)
- 2017年5月(2)
- 2017年4月(1)
- 2017年3月(2)
- 2017年2月(4)
- 2017年1月(1)
- 2016年12月(2)
- 2016年11月(1)
- 2016年10月(2)
- 2016年9月(2)
- 2016年8月(1)
- 2016年7月(1)
- 2016年5月(2)
- 2016年4月(1)
- 2016年3月(1)
- 2016年2月(3)
- 2016年1月(1)
- 2015年12月(3)
- 2015年11月(2)
- 2015年10月(2)
- 2015年9月(2)
- 2015年8月(3)
- 2015年7月(3)
- 2015年5月(2)
- 2015年4月(3)
- 2015年3月(2)
- 2015年2月(2)
- 2015年1月(2)
- 2014年12月(3)
- 2014年11月(3)
- 2014年10月(2)
- 2014年9月(2)
- 2014年8月(1)
- 2014年7月(4)
- 2014年6月(1)
- 2014年5月(5)
- 2014年4月(4)
- 2014年3月(3)
- 2014年2月(6)
- 2014年1月(3)
- 2013年12月(7)
- 2013年11月(4)
- 2013年10月(2)
- 2013年9月(8)
- 2013年8月(1)
- 2013年7月(5)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(2)
- 2013年4月(3)
- 2013年3月(5)
- 2013年2月(2)
- 2013年1月(3)
- 2012年12月(6)
- 2012年11月(3)
- 2012年10月(5)
- 2012年9月(5)
- 2012年8月(5)
- 2012年7月(8)
- 2012年6月(8)
- 2012年5月(9)
- 2012年4月(11)
- 2012年3月(8)
- 2012年2月(12)
- 2012年1月(6)
- 2011年12月(3)
- 2011年11月(12)
- 2011年10月(12)
- 2011年9月(9)
- 2011年8月(11)
- 2011年7月(12)
- 2011年6月(10)
- 2011年5月(10)
- 2011年4月(9)
- 2011年3月(15)
- 2011年2月(15)
- 2011年1月(18)
- 2010年12月(14)
- 2010年11月(12)
- 2010年10月(7)
- 2010年9月(3)
- 2010年8月(5)
- 2010年7月(6)
- 2010年6月(6)
- 2010年5月(5)
- 2010年4月(9)
- 2010年3月(6)
- 2010年2月(4)
- 2010年1月(4)
- 2009年12月(5)
- 2009年11月(6)
- 2009年10月(4)
- 2009年9月(4)
- 2009年8月(5)
- 2009年7月(5)
- 2009年6月(9)
- 2009年5月(18)
- 2009年4月(16)
0 - Comments
Add your comments