私が日本ではあまり作ることがなかった料理でも、スウェーデンで生活するようになってから、頻繁に作るようになった料理は数々あります。
今回はその中で、手間をかけて作るおもてなし料理の一品「ビーフシチュー」について、お話ししたいと思います。
ビーフシチューはご存知のとおり日本でもよく知られた料理、もちろんスープから手作りされる方もいらっしゃいますが、日本ではビーフシチュー用のルーが多く流通しているため、ルーを使って作るというイメージのほうが強いのではないでしょうか。
しかし、スウェーデンではシチューやカレーのルーが一般に入手することが困難です。したがって、スープから手作りすることが当然とも言えます。
そして、スウェーデンでは牛のブロック肉の流通が日本より多く、シチューに使う「牛バラ」は比較的お手頃価格で入手できる環境にも影響を受け、目指すは「最高級レストランの味」。実際にそこまで言えるかは別としても、ビーフシチューを手作りすることが多くなりました。
材料は皆様もご存知、牛肉をはじめとし、人参、玉ねぎ、ブロッコリー、ジャガイモなどの野菜が目に見える部分ですが、煮込むためのソースには何と言っても赤ワインが重要。そして塩コショウやローリエ、また隠し味にトマトペースト、ケチャップ、ウスターソース、ココア、その他色々…、入れるという方の話もよく聞きます。
自宅で作ったビーフシチュー、生クリームとパセリを飾りいただくと美味しさアップです。
日本でも知られた料理ですが、具体的に我が家で作る手順を紹介しますと、次のようになります。(掲載の分量は約4人分)
1.牛バラ肉(約600グラム)を8等分程度にし、塩コショウをした後、小麦粉をまぶし、バターで余熱した煮込み用の大きな鍋で表面を全面きつね色になるまで焼く。
2.牛肉をいったん取り出し、人参(中2本)玉ねぎ(大1個)ジャガイモ(中4個)を皮をむき、ぶつ切りにし、牛肉を焼いた鍋で、表面を焼く。牛肉を再び鍋に戻す。
3.表面を焼いた牛肉と野菜に、煮込みのスープとしてワイン瓶1本(750ml)、水をワインと同量程度、粒の黒コショウ小さじ一杯、その他各種隠し味を入れる。ブロッコリーの芯1本分、にんにく1かけ、ローリエの葉1枚も加え(これらは煮込み後に取り除く)約2時間、肉や野菜が柔らかくなるまで煮込む。煮込んでいる間、浮いてくる灰汁や脂肪分は取り除く。
4.ブロッコリーを入れる場合は、別鍋で硬めに茹で、3を煮込んだ後で加え、さらに10分ほど煮込む。
5.最後に塩、コショウで味をととのえる。
6.お皿に盛り付け、生クリームとパセリを飾り、いただく。
牛肉のコクと柔らかさを引き立てるため、牛バラ肉は適度に脂身の入ったものがおすすめ。煮込みの段階で浮いてくる余分な脂を取り除くので、仕上がりは意外とさっぱり出来上がります。
野菜から出るエキスも極めつけの旨み成分、栄養成分がスープに溶け出し、普段つい野菜不足になりやすいという方にもおすすめの一品です。
普段は既成のルーを使ってシチューやカレーを作るという方も、機会があればスープからの手作りにチャレンジ、いかがでしょうか。
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3 - Comments
いとうより:
2013 年 11 月 18 日 11:53:38
いとうです。
やはり書いてある通り、私も作りますが、ルーを使用します。やはり、
できあがりの写真を見ると、とても美味しそうなので、時間があるとき
トライしてみます。鍋は圧力鍋を使わないのですね。ルクルーゼとかが
いいのでしょうか?
道下より:
2013 年 11 月 18 日 17:00:29
手作りの良さが写真からにじみ出ています。レンジでチンが主流になりつつある中で、とてもおいしそうな色合いに引きつけられます。
山本グィスラソン由佳より:
2013 年 11 月 19 日 05:12:36
コメント有難うございます。
ビーフシチューの煮込みには、圧力鍋でなくとも普通の大き目の鍋で十分できると思います。
スウェーデンは共働きが当然の社会ということもあり、冷凍食品やインスタントのソースの素などもスーパーに並んでいるのですが、やはり手作りが味も栄養も一番ですね。
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