オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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2月に入り、日本では立春を迎えましたが、オランダでは、謝肉祭が来週から始まります。謝肉祭とは、カーニバルのこと。ヨーロッパでは広く行なわれる、行事のひとつです。春の訪れを祝い、1年の収獲に感謝するため、人びとが着飾って行列を作り、街中を練り歩く、といったお祭りです。


オランダは小さな国ながら、西部と南部では、かなりの文化的差があります。カーニバルも、オランダ西部(アムステルダムやデン・ハーグがある)では、まるで祝いません。ところが、南部は、カーニバルを派手に祝うことで有名。ともすれば、半年も前から準備に明け暮れるほど、この祭りを重要と考えています。


どの子も、違う衣装で登校しなくてはいけない。

どの子も、違う衣装で登校しなくてはいけない。

かつて私が、オランダの東南部で子育てをしていた頃のことですが、このカーニバルを祝うために、3ヶ月ほど前の11月から、下準備に大わらわだったことを思い出します。カーニバルは1週間続くので、仮装をさせるのはもちろんのこと、そのまま学校へも通わせるわけですが、仮装も「派手」でもいいが、「品が悪くないように」というルールがあるので、やたらと何かを着せればいいというわけではありません。


担任の先生も一緒に参加!

担任の先生も一緒に参加!

また、クラスメートの誰かと同じ衣装を着せたりすれば、それはナンセンス!とされてしまうので、まずはクラスメートの親たちに、何を着せるのかを事前にきちんと質問しておく必要があります。それだけではありません。昨年のカーニバルと同じ衣装を着せたりするのもタブー。また、どんな衣装を用意するのか、予算はいくらくらいか、など、親たちは相談して決める必要があります。さらに、特に派手にするためにお金をかけることも、好ましくない、とされており、よくよく考えてみると、「誰かと同じ衣装はダメ」「昨年と同じ衣装はダメ」「予算が高すぎるのはダメ」・・・親としては、少々頭が痛くなってきます。


今年の流行は、ゲームやアプリで世界中の子供たちに大人気の「アングリー・バード」の仮装。しかし、これまたみんなが着たがるので、誰がどの衣装を着るか、重複しないか否か、事前の根回しも必要になってくるとか。このカーニバルに参加したくない子供もちらほら見かけますが、そういう子供は、「他の子と違っている」ということで、校長先生から親が呼び出しを受けたりすることもあるそうです。たかがカーニバル、されどカーニバル。ただのお祭りで、子供の素行判断まで行なわれてしまう、少々、ヒステリー気味(?)なお祭りが、来週からまた、始まろうとしています・・・。


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