ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ市内にあるメガネ屋の奥の壁に掛けられたアルファベットの視力検査表

サンパウロ市内にあるメガネ屋の奥の壁に掛けられたアルファベットの視力検査表

 ブラジルの眼科でも視力検査表には黒い円に一か所切込みが入った国際標準とされる表(ランドルト環)が使用されています。

 ところが、メガネ屋に行くとランドルト環の視力検査表ではなく、アルファベット表など別の視力検査表が置かれていることに気づきます。

 そのことについてメガネ屋さんに伺うと、
「ブラジル(特にサンパウロ州)ではランドルト環の視力検査表は医師しか使用できず、現状では正式な視力検査結果と認められるのは眼科医がランドルト環を使用した結果のみ」
との回答を受けました。
「メガネ屋に置かれているランドルト環以外の視力検査表は、メガネができた時に確認するためのもの」
とのことでした。


メガネ屋でも使用できるアルファベットの視力検査表

メガネ屋でも使用できるアルファベットの視力検査表

 もし、メガネ屋にランドルト環の視力検査表が置いていたらどうなるかというと、検閲官が回ってきた時に見つかると、規則違反と見なされ、罰金が科せられることになるとのことです。ブラジルでも州ごとに規則は異なり、医者の数が多いサンパウロは特に厳しいということです。

 医師とメガネ屋の仕事にきっちりと線引きがされ、それぞれの専門家を保護してメガネを使用する人に最高の対応をするという制度の細やかさがうかがわれます。医師はメガネ屋を開くことはできず、メガネ屋を開くための講習を受けて資格を得た人がメガネ屋を営業することにもなっています。


メガネを作るために眼科医が正式に検査した視力検査の結果表

メガネを作るために眼科医が正式に検査した視力検査の結果表

 定められた規則を遵守して仕事をする眼科医やメガネ屋の傍らで、老眼鏡に関しては基準があいまいなところがあり、以前は薬屋などでも老眼鏡が販売されていました。それでも適当に選ぶのは目に良くないということで最近は薬屋で老眼鏡が販売されることはなくなりました。

 ただ、老眼鏡を購入するのに眼科で検査をするのは面倒くさいと感じる人もいます。その辺を考慮して、露店でサングラスなどを販売している人がついでに老眼鏡を販売しているのを今も時々見かけることがあります。




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