台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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朗読コンテストの様子

朗読コンテストの様子

 台湾では高校によってですが、外国語は英語だけでなく、第2外国語を勉強することができます。高校の第2外国語の授業は1983年から行っているようで、日本語の他、フランス語、ドイツ語、スペイン語などを勉強できるようになっています。

*参考
http://www.taiwanembassy.org/JP/ct.asp?xItem=48363&ctNode=3522&mp=202

 2月から始まった新学期の序盤、台北市内で第2外国語を学べる高校で、日本語、ドイツ語、スペイン語、フランス語の朗読コンテストが行われましたが、今回は台北市立第一女子高級中學(以下、北一女)開催の日本語朗読コンテストの様子を紹介します。


進行係兼タイムキーパー

進行係兼タイムキーパー

 コンテストは甲、乙各組に別れ、出場資格は以下の通りです。

 甲組:1 両親が日本国籍でない者
    2 日本語の学習レベルが初級の者
    3 下記乙組の資格に抵触していない者
*甲組は上記全部の用件を満たすこと

 乙組:1 小学3年生以後、日本居住及び台湾内の日本人学校か日本語学校在籍が累計1年以上の者
    2 全国レベルの日本語朗読コンテストで3位以内の実績がある者
    3 日本語能力検定で旧4級(現在のN5に相当)に合格している者
*乙組は上記いずれかの資格を満たすこと
  
 コンテストは、既に提供された5編のうち、当日係員から渡されたランダムの1編を制限時間内に読み上げるというものです。甲組の文章はおとぎ話の「金太郎」や、きっちょむさんの「とんち勝負」など5編、乙組は毎日小学生新聞のズボン、トンボのエッセイなど5編で、字数は1編が900~1,300字程度の文章です。

 制限時間は3分で、残り時間30秒で短い音のベル、3分になった時点で長い音のベルが鳴り、3分16秒以上で強制終了となります。また、朗読の時間が長過ぎても短過ぎても減点の対象になるだけでなく、2分以下で終了した場合は評点なし、という厳しいルールです。
 当日の参加者を見ていると、全員ルールを厳守していて、3分のベルが鳴った時点で、朗読の途中でも一礼し、見ているこちらがびっくりするくらい、潔く止めていました。

 評点基準は、朗読内容の正確さが40%、表現能力が40%、朗読態度(朗読時にかんだり、緊張してぎこちなくなったりしないか)が20%となっています。

 北一女では、甲組17人(うち1人棄権で16人)、乙組12人がコンテストに臨みました。各組上位3位まで表彰され、各組1位の生徒には、台北市主催の朗読コンテストの出場資格が与えられます。


順番を待つ参加者たち

順番を待つ参加者たち

 コンテストの会場には、参加している生徒だけでなく、学校で日本語を勉強している多くの生徒が集まり、その様子を見つめました。

 参加者に目を向けると、乙組だけでなく、甲組の生徒たちの能力の高さには、驚きのため息しか出ませんでした。「高校生の段階でここまで出来ているのか」と思わずにいられないくらいできていて、第2外国語とはいえ、日本語教育のレベルと、台湾社会における日本語の浸透度の高さにはただただ驚かされました。
 
 ちなみに、学内のコンテスト1位入賞者が臨んだ台北市の朗読コンテストの結果は、甲組の生徒は3位、乙組の生徒は5位でした。


 台湾の高校の第2外国語教育、刮目の価値がありそうなので、引き続き追いかけていきたいと思います。




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  • 1 コメント

1 - Comments

かなやより:

2014 年 05 月 03 日 14:52:40

日本語に対する意識や姿勢を、日本人自らが変えていかなければならないと反省させられました。

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