オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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オランダやベルギーで、静かなブームを呼んでいるビールがあります。このビール、実は親日家のオランダ人、アルヤン・へーメラール氏が考案し、ベルギー東フランデレン州にある醸造所で造られたエールで、その名も『生き』。名前からして、興味をひかれてしまいそうです。



琥珀色が美しい、『生き』ビール

琥珀色が美しい、『生き』ビール

隣国のドイツ人に負けず劣らず、オランダ人もビール好きな国民です。平均して1人当たり、年間96リットルのビールを消費するという統計があるほどで、これは1日に最低でも1杯のビールを飲んでいる計算になるとか。ハイネケンやグロッシュなど国産のビールに加え、最近では中国やインドネシアなど、アジア産の輸入ビールを嗜む人たちも増えてきているといいます。


日本式のカレーにもぴったり!

日本式のカレーにもぴったり!

しかし、輸入ではなく、日本で味わったような生ビールをヨーロッパの地で造りたいというヘーメラール氏の意志は固く、彼はその実現を果たしてくれる醸造所を求め、本国のみならず、各国を巡ったといわれます。その結果、遂にベルギーの老舗ビール醸造所との交渉に成功し、その後、試行錯誤を重ね、2005年、遂に『生き』が生産されることと相成りました。


アルコール度は4.3%、柚子風味のこのビールですが、気になるその味は、ベルギー産のブロンド・ビールに似て、ほんのり甘いのが特徴です。日本のビールに似た茶色の瓶には「生」と漢字で記されていますが、これは、発案者のヘーメラール氏によれば、「生(ナマ)」と読むのではなく、「生き」る、つまり、氏が日本滞在時に遭遇した日本人たちの、ゆったりした「生き方」に習おう、という思いが込められているのだそうです。


ヨーロッパと日本の融合を見た、和洋折衷ともいえるべき『生き』ビール。ヨーロッパのモルトに、柚子のほのかな芳香が漂い、のど越しの清涼感は、ビールにうるさいオランダ人たちに斬新な味を提供したといえるでしょう。2008年には、アルコール度が少々高い、5.5%の生姜(ジンジャー)風味のiKiも発売され、こちらも好評を博しているそうです。今後も、ビール通を唸らすような新製品の登場を、オランダ国内だけではなく、世界中のビール党たちが待ち望んでいるに違いありません。


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